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J-038 怒りのポルナレフ J-038 U キャラ スターダストクルセイダース 幽 P3 S(4) T3 ☆☆☆☆ 幽友○○ ポルナレフ 人間 出典:JC19巻 87 テキストは無いものの、○二つを含む4コストで攻撃力3、(4)、 3と、かなり高スペックなポルナレフ。幽友デッキの主力として安定した活躍を見せてくれるだろう。ただし、レベルが4な為、何かしらステージが無ければ出て行けない点には注意。 イラストは全然怒っていないのだが、どの辺りが怒りのポルナレフなのだろうか…
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ジャン=ピエール・ポルナレフ 登場作品 ジョジョの奇妙な冒険 種族 人間 性別 男性 一人称 おれ 二人称 おめー 特殊能力 スタンド「シルバーチャリオッツ」 概要 先天的にスタンド能力を持ったフランス人の青年。 スタンド自体は便所に吐き捨てられたタンカス程度の能力だが、十年にも及ぶ修行で承太郎のスタープラチナと比肩するほどに。 妹シェリーの仇を追って、ジョースター一行と対決。その後は和解を得て、無事に仇を取る。 そして自らに恐怖を植え込んだDIOを倒すために、ジョースター一行の仲間となる。 外見 髪の毛はシルバーブロンドで垂直に逆立てられた柱のような髪型をしている 眼の色はブルー。眉毛が無く、目が切り目のように長い鼻筋が通っている。 ハートマークを左右で二つに割った形のピアスを常に両耳に着けている。 肩出しの特徴のあるタンクトップに黒ベルト、カーキ色の外ポッケ付きのズボンに黒のハーフブーツである。 性格 基本的に女好きの明るい人物で、トラブル被害担当のコメディリリーフ(特にトイレでの災難に頻繁にあう)という役回りを担っている。 しかし、妹に関する過去の話や仲間の危機に直面すると、誇り高き騎士の一面を覗かせる。 その一方で自身の実力に対する自信が高いためか単独行動を取りたがる場面が目立ち、「敵をあなどる癖」もある。 台詞 「ブラボー!おお…ブラボー!!」 「我が名はJ・P・ポルナレフ 我が妹の魂の名誉のために! 我が友アヴドゥルの心のやすらぎのために……この俺が貴様を絶望の淵へブチ込んでやる!」 「富や名声より、愛だぜッ!」 「やったッ!命中だッ!しゃぶれッ!おれの剣をしゃぶれッ!このドグサレがッ!」 能力 銀の戦車(シルバーチャリオッツ) 破壊力 - C / スピード - A / 持続力 - C / 射程 - B / 精密動作性 - B / 成長性 - C 中世騎士のような甲冑にレイピアを武器として携えた人型のスタンドを持つ。 前述したように10年ほど能力を鍛えこんでいたため、スタンド使いとしての実力はかなり高い。 空気を切り裂き、空気と空気の間に溝を作ることが出来るほか、光速で移動する物体を切ることが出来るほどの素早さを持つ。 身にまとっている甲冑を外すことも可能で、防御力が落ちるかわりに、残像を発生させるほど高速で動けるようになる。 また、レイピアの刀身を飛び道具として射出することもできる。 が、射出した後は丸腰になってしまうため、切り札・裏技としての使い道しかない。 +本ロワにおけるネタバレ 本ロワにおける動向 初登場話 017:Twist & Shout 死亡話 :[] 登場話数 4 登場時期 DIOの館突入直後 詳細
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《ジャン・ピエール・ポルナレフ/Jean Pierre Polnareff》 《ジャン・ピエール・ポルナレフ/Jean Pierre Polnareff》 R 1/1 クリーチャー・スタンド使い 速攻 (1)(赤):ジャン・ピエール・ポルナレフを反転する ----- 銀の重戦車 クリーチャー・スタンド 先制攻撃 幽波紋2 2/1
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舞踏会から数日後、朝早くにルイズは一人広場へ向かっていた。 そろそろ身支度をする生徒や一足速くアルヴィースの食堂へと向かう生徒達とすれ違うルイズの表情は浮かないものだった。 朝食は出ないが、先に向かい紅茶やワインなどを要求できないこともない… ルイズが今一人で広場に向かっているのは新しい使い魔を召喚するためだった。 使い魔は原則的には一度契約したら死に別れるまでメイジのパートナーになる。 その儀式はとても神聖なものとして扱われているけれどエルフとの戦争を始め、使い魔が死んでしまう事っていうのは前例が無いわけじゃなかった。 ポルナレフとは舞踏会の後も余り話せていなかった。 ルイズの方はそれとなく探してみたのだが、ポルナレフの方がその状態になかった。 まだマチルダが亀の中にいるというのもあるし、再会するまでの間に起きた出来事についてポルナレフはジョルノと話し合わなければならなかった。 イザベラとの一件を見ていただけにギャングの話は、激昂するマチルダを抑えながらでも最優先で話し合わなければならなかったのだ。 そんなポルナレフにジョルノが話したのは、麻薬だけでは金がすっからかんになりそうだったんで表の事業を広げているだとか、人材のスカウトと育成に忙しいとか、そういう話だった。 本当はそれだけではないだろうなとはポルナレフも思っていたが、今はジョルノを信じて確かめない事にしていた。 その場には、仕事を覚えようと張り切っているテファもいたから話にくいだろうと、ポルナレフは年上の余裕でもって察してやったのだった。 実際、この時はそれは外れてはいなかった。 スカウトした人材にこの学院のコルベールや卒業する生徒も入っているとか昨夜は幹部を拷問しましたなんて言えるわけも無い。 だがそんなことはルイズの知る由も無い事で、主人をないがしろにするポルナレフに対して更に怒りが沸いていた。 あの馬鹿、優しいご主人様がどうしても使い魔になりたいっていうなら許してあげようかと思ったのにどこで油を売ってるのかしら? そんなことを考えながらルイズが広場の傍まで来ると、なぜか目の下に隈を作ったマリコルヌがいて冷めた目で見下していた。 今までにも嘲笑われた事はあった。 ルイズのコレまでの人生はそればかりだったが…でもそれとは違うように、その時ルイズは感じた。 ゼロ(魔法が使えない)だからとかじゃあない、汚らわしいものでも見るような目だった…! 目の下の隈だけじゃない、脂肪たっぷりで気付かなかったけど良く見ればほんのちょっぴりこけた頬。 細い目でルイズを見下ろしながら、そのでぶは言った。 「なんだい? 視界に入ったからただ見下していただけなんだけどな」 「あんたなんかに見下されるいわれはないわッ! 大体、どうしてアンタがここにいるのよッ!!」 そう聞いた瞬間、マリコルヌの目が鋭い輝きを放ったようにルイズは感じた。 「僕のクヴァーシルが殺されたからだ」 簡潔に言ったマリコルヌはルイズを相変わらず見下ろして言う。 一気に十年以上も年を取ったような声だった。 「一つ言わせて貰うなら…(これは僕が使い魔を召喚する時の為にお爺様から聞いた話なんだけど) 優秀なメイジの中には最初はまだ未熟で使い魔を制御できない人もいるんだ」 「そんなこと、アンタに言われなくっても知ってるわ」 そんな事はルイズもこの学院に来て魔法を覚える為に自分で学習する過程で知っていた。 才能のあるメイジの中には、稀にはその時は未熟であるにも関わらず幻獣、例えばタバサのようにドラゴンを呼んでしまった場合もある。 使い魔は主人のいいように記憶を、脳内の情報全てを変えられる。 その効果は時間が経つにつれ強くなり、最後は一心同体となる。 だが高い知能を有する使い魔を呼んでしまった場合、すぐには認められないことがある。 極端な例を出すなら、犬っころを召喚したトライアングルの横でドラゴンの自分がドットの使い魔であることに不満を覚え反抗したりする。 それもルイズ達の見えないところでシルフィードがタバサに不満を言ったりする程度からそれ以上までだったが。 だが… 「その人達は自分を磨いて使い魔に自分を認めさせようとするけど、ゼロのルイズは新しい使い魔を呼ぶ。僕のクヴァーシルを殺した水のメイジが同じレベルのメイジなら楽なんだけどな」 油の浮いた唇を歪ませてマリコルヌはルイズに背中を向け、新しい使い魔を召喚しに行く。 マリコルヌにはクヴァーシルは氷に、ウィンディ・アイシクルのような魔法で殺されたことだけは感覚としてわかっていた。 夜の森に散歩に出ていたクヴァーシルに何があったのかはわからない。 殺されるような理由があったかどうかも、なにもわからないがマリコルヌにはわかる必要も無かった。 ただクヴァーシルのものと思われる食い荒らされた遺体がマリコルヌの瞼に浮かんでいた。 普段どおり手元においておけばあんなことにはならなかった… あの夜。夜の森には危険な動物もいるのにそんなことは考えずに今夜は舞踏会だしと、マリコルヌは羽目を外してしまった。 歯軋りをするマリコルヌの心は復讐へと傾いていた。 追悼する気持も無く悲しみを一人で整理する事も出来ず、マリコルヌはまだ見ぬ加害者を憎む事だけに専念していた。 そうしなければ、マリコルヌは精神のバランスを保つ事ができなかった。 ルイズへ吐いた言葉は、氷で殺されたから多分水のメイジと言う推理を正しいと信じ、学院にいる水のメイジ全てに懐疑の目を向けるだけに飽き足らず、 はけ口を求めわかったようなふりでその刺々しさをルイズに向けて撒き散らしているだけだった。 暴走が水のメイジとの仲を悪くすることには無頓着になり、ペットショップからは逆に離れていく事にはマリコルヌは気付けなかった。 そんなマリコルヌに見下されたルイズは、反感を覚えると共に酷くショックを受けていた。 一理ある。そう思ってしまったからだ。 魔法を使えることを証明し、皆に認められたい…だが、使い魔に認められず騙されたまま新しい使い魔を召喚して、はたしてルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは真に貴族と呼べるだろうか? 正しく…ルイズが今までに培ってきた正しいと考えるオーソドックスなメイジのイメージが、ルイズにそんな疑念を抱かせていた。 ルイズは疑念に囚われ使い魔召喚の儀式に向かう足を止めた。 新しく使い魔を召喚する羽目になったのはルイズの責任ではない。 元の飼い主が現れたし、亀の中の人に騙されていたし、そもそも契約も結んでいないのだ。 客観的にルイズは全く落ち度は無い。 他人が聞けばそういうだろうが、しかし…とルイズは思ってしまうのだった。 だが母ならこんなことには、と。 自分がゼロだから、こんな情けないことになっている…そうルイズは考えてしまっていた。 「あらルイズ。貴方まだこんな所にいたの?」 自慢のフレイムに乗り、隣室の(実家もお隣の)ツェルプストーに話しかけられ、振り向いたルイズの表情には迷いが浮かんでいた。 ポルナレフともう一度話し合うことを勧めに来たキュルケは、迷っているルイズの意地っ張りな性格を突付きにフレイムをルイズの所に進ませた。 宿敵であるツェルプストーの人間から言われた言葉に、ルイズは反発してしまうかもしれないと思ったが、キュルケはルイズを説得せずにはいられなかった。 * ところでそのルイズの使い魔だった男。 パッショーネ所有の亀ココ・ジャンボの中で眠っていたジャン=ピエール・ポルナレフ(享年36歳)は、金的に加えられた男性にしか理解できない強烈な衝撃で目を覚ましていた。 とてもいい夢を見ていたような気がする。 それは最愛の妹と暮らした日々だったかもしれない。 カイロへ向かうつらい旅の夢だったかもしれない。 だが、それが突然…言葉にできない痛みと共に現実へと連れ戻された。 「お…gッ」 痛みだの激痛だのというチャチなもんじゃない。 身もだえする事も出来ず、ポルナレフは床をのた打ち回る。 声にならない悲鳴を上げながらどうにか周囲を見回したポルナレフの視界に、グンパツな足が入った。 「何でアンタがあたしの横で寝てるんだいッ!!」 「………あ、姉さんが昨日俺に愚痴とか苦労話とかテファとの話とかをしてそのまま酔いつぶれたからだ」 「…え?」 丸くなりながら、ポルナレフはそれだけ言った。 妹を不本意な形で取られたマチルダは、学院にいる間は亀の中から出られないという事情もありストレスが溜まっていた。 ポルナレフは年上の男性として、それなりの人生経験からそれを察しストレス発散にと酒を飲みながら話を聞き、そのままマチルダは酔いつぶれたのだったが… 青い顔で蹲るポルナレフをマチルダはばつが悪そうに見下ろす。 なんでココにいるかとか、昨夜どうしていたかとか、冷静になり思い出したマチルダはポルナレフの背中を摩りはじめた。 「わ、悪かったね」 何か返事をしたいが、先程の返事だけでポルナレフの体力は限界を迎えていた。 痛みなどという段階を超越した苦しみに悶えながら、ただ痛みが引くのを待つしかない。 なんで魂だけなのにこんなに痛いんだよッ!!とか色々と疑問も浮かんだが考える事なんてできるわけがないッ!! それでも返事を返そうとしたポルナレフの口からうめき声があがる。 びっくりして思わず手を退いたマチルダは、更にもっとばつが悪くなりポルナレフの背中を笑顔で摩り続ける。 テファ達と朝食に向かう前に亀の中へと入ってきたジョルノは、そんな光景に出くわして… 絨毯に蹲ったまま空気の動きに気付き顔を上げたポルナレフと目を合わせた。 ポルナレフの体勢、マチルダの態度。 何より脂汗をたっぷり流し、笑顔を浮かべようとして失敗するポルナレフの切ない目が、何があったのかを雄弁にジョルノに伝えていた。 ジョルノは何も言わずに首を振ると、後で食事を亀の中に入れることを簡潔に次げて背を向けた。 ポルナレフはまた限界に達し、顔を伏せた。 「ああ、そうだ。ポルナレフさん」 「…?」 男の尊厳が砕けたかもしれないと本気で心配をし始めながらポルナレフは、背中を摩られながらジョルノを見る。 さっさといけよと八つ当たり気味に目を細めるポルナレフにジョルノは嫌味なほど爽やかに笑っていた。 「テファの事は、この際です。礼を言っておきます。ありがとう。お陰でテファの事は知られていないようです」 「き…きにす、すんな。俺が好きでやったことだから、な」 亀から出て行くジョルノを見送り、ポルナレフはまた蹲る。 状態は最悪だったが、先日テファを手伝った事が無駄ではなかったので気分は良かった。 「お待たせしました。じゃあいきましょうか」 「う、うん。姉さん、まだ怒ってた?」 「いいえ、ポルナレフさんと仲良くなったようですよ」 それは少し違うと言いたかったが、ポルナレフは歯を食い縛るので精一杯だった。 ジョルノが、いつか約束した通りテファとタバサと共に食事しながら、ヴァリエール家を始めとする懇意にしている貴族達や、商売相手からの手紙を読む頃。 「食事中は、止めた方がいい」などとタバサに窘められ、カトレアからの甘ったるい…しかし少なからずヴァリエール家の内部情報を含んだ手紙に目を通している時、二人が新しい使い魔を召喚することを聞きつけたのだろう。 ルイズとマリコルヌの新しい使い魔を見ようとしてか、暇そうなな学生達が何人か広場にはいた。 マリコルヌだけでなく、一旦は思い直しかけたルイズもいる。 キュルケの説得は、逆の効果をルイズに齎してしまい、ルイズは「別に新しい使い魔がいてもポルナレフに認めさせることはできるんじゃねーの?」と思い至ってしまった。 ルイズとマリコルヌは彼らと頭部からの照り返しがまるで太陽を雲で遮られたかのように和らいだコルベールに見守られながら、魔法を唱えはじ… 「あの、ミスタコルベール」 思わずルイズは尋ねようとした。 その頭部を見つめながら…コルベールは凄くイイ笑顔をしていた。 「なんですかな」 「頭「なんですかな?」い、いえ…」 笑顔のコルベールの凄味に負けた二人は同時に召喚を開始する。 魔法が失敗した時と同じようにルイズが唱え終わるとほぼ同時に爆発が起こった。 巻き上がる砂埃に紛れ、既にそんなことには慣れきっているこの場に居合わせた者達の目には二つの物体が吹き飛ばされ、広場に転がっているのが見えていた。 一匹は愛らしい子鳥。爆発に巻き込まれ羽は汚れ、気絶してしまっている。 もう一人は華奢な、変わった衣服を身につけ四角い箱を後生大事に抱えた人間の男。 こちらは気絶してはいないようだが、まだ状況がつかめないのが動けないでいた。 …ルイズは目を見開き、そして迷うことなく小鳥の前で膝を突き、口付けて契約を終えた。 そして誰かが口を挟む前に、鋭い声を発してコルベールに報告する。 「ミスタコルベール!確認を「ちょっと待て!?どう考えたってそれ僕の使い魔だよ!」 一歩遅れたマリコルヌの叫びをルイズは鼻で笑った。 手の中に納めた自分の使い魔を撫でながら、ルイズは言う。 「何バカなこと言ってるの?既に…ここにある確かなルーンが見えないのかしら?そうですよね。ミスタコルベール」 「ヴ、まあ…そ、それはそうだけどね?」 「で、でも…」 さっき嫌味なんか言わなきゃよかったと考えないでもないマリコルヌに目もくれず、ルイズは爆風で乱れた桃色がかった髪を手で梳きながら立ち上がる。 誰も、何も言えない。 もう契約は為されてしまいルイズに他の使い魔を与えるには小鳥を殺すしかない。 だがそれは流石にはばかられたし、この後マリコルヌがどうするのか皆着になっていた。 そんな中をルイズは堂々と小鳥を連れて広場を後にし、まだ気絶している人間とマリコルヌが…その場に残された。 マリコルヌは救いを求めコルベールを見る。 コルベールは何も言わず、首を振った。 使い魔が死んだら仕方が無いし、契約が済んでいない使い魔に持ち主が現れたら…まぁある意味仕方ないだろう。 神聖な儀式とはいえ、いや神聖だからこそ他人のペットを強奪して使役するなどという前例は残したくない。 それらのケースと召喚された使い魔が気に入らないからもう一度召喚させてくださいというのを同列に扱うわけにはいかないのだ。 そんなことを許可してしまえば、極端な事を言えば自分の気に入った使い魔が出るまで召喚を行う生徒だって出るかもしれない。 可能性の問題だが、それで毎年二回、三回と召喚をやり直す生徒が出てしまうような前例を残すわけにはいかない。 コルベールは、せめて速く終るようにとまだ状況がつかめていない見慣れぬ服装をした少年を拘束する。 余りの哀れさに、コルベールは溢れてくる涙を止める事が出来なかった。 だがしかし…それでも、心を鬼にして混乱する少年を拘束しなければならなかった。 ズッキューンッ!! 「や、やった! 流石風上のマリコルヌッ、俺達に出来ない事を平然とやってのけるゥッ!! そこに痺れる憧れるゥッ!!」 かなり奇妙な何かが重なり合った音と、おぞましい身も毛もよだつ絶叫。そして全くしゃれになってないが、茶化すような言葉が広場に響いた。 あ、ありのままいまおこったことをせつめいするぜ。 あきばからのーとぱそこんをかかえてかえろうとしたんだ。 そしたらとつぜんめのまえにかがみがあらわれてどこかにいどうしていた。 いつのまにか、からだはこうそくされていてまんとをつけたがいじんのでぶにきすされた。 …な、なにをいってるかわからねぇとおもうがおれにもなにがおこったのかわからなかった。 はじめてのきすはすきなおんなのこととかれもんのあじとかそんなあまずっぱいもんじゃだんじてなかった。 もっとおそろしいもののへんりんをあじわったぜ? To Be Bontinued...
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【名前】 アヌビス二刀流ポルナレフ 【大きさ】 成人男性並み 【攻撃力】 アヌビス神;鋼鉄の扉さえも簡単に貫通できる シルバー・チャリオッツ;ヒカリよりも速いスタープラチナに対して一方的に攻撃可能 【防御力】成人男性並み 【素早さ】 超光速×2 【特殊能力】 時を10秒だけ止めれる 相手が行った技を行うことができる 【戦法】刺殺
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舞踏会が始まった頃にまで、時間は戻る。 ジョルノがイザベラと踊っている頃に、ポルナレフの入った亀を抱えたラルカスの偏在は牢屋への道を走っていた。 ラルカスは急いでいた。 フーケの身柄が、明日にもこの魔法学院から遠く離れたトリスティンの城下町の一角にあるチェルノボーグの監獄に移送されてしまう、というのもある。 学院の牢とチェルノボーグの監獄とでは軽微に大きな差がある。 兵士を買収すれば案外簡単に侵入できるのかもしれないが、兵士へと引き渡すまで身柄を任された魔法学院の牢から脱獄させる方が容易だと、ラルカスは考えることにした。 魔法学院の面子はこれでまた潰れてしまうだろうが、急がなければならなかった。 理由は二つある。一つは、テファがジョルノに反抗し組織入りを望んでいること。 彼女が手っ取り早く手柄を立てジョルノに本気であることを示すには今やるべきだとラルカスは考えていた。 テファまでいなくなると潤いがなくなる…ということではなく、テファの境遇を考えれば普通に暮らすことを考えるより目の届く所において事務仕事でもやらせておけばいい。 ジョルノとラルカス、ポルナレフにフーケまでが加わるのだからなと、個人的な意見だがラルカスはそう考えていた。 もう一つは『土くれのフーケ』を求めるのはジョルノのパッショーネだけではないということだ。 『レコンキスタ』と名乗る組織がフーケをスカウトしようとしているという情報が入っていた。 それ自体は余り驚いてはいない。 ジョルノはテファを自分から切り離す為にフーケを使う予定のようだが、ラルカスだってできればパッショーネに参加させたいと思っているからだ。 だが、本体は(勿論コルベール等のジョルノに指定されたメイジと親交をもとうとはしているが)舞踏会を楽しんでいるし、他にもヴァリエール領内などで暗躍している偏在がいるため余り多くの精神力を分配する事は出来ない。 もしもの時の事を考えてポルナレフも連行してきたが、できれば『レコンキスタ』が来るより先にフーケを引っ張り出したいと言うのも、ラルカスの本音だった。 本体の視界に髪を黒く染め、コロネを解いて髪を下ろしたジョルノが親交のある貴族の子女や調べておいた有望そうなメイジと談笑している姿が入ってきて少しため息が出たが、今回は仕方ない。 ジョルノがこの場にいたら、亀の中に手を突っ込んでテファがいないかどうか入念に調べてしまうだろうからな。 気付かない振りをして亀を荷袋につめたラルカスは、警備の兵士を金と自分が地位の高い貴族であるという振りでクリアして牢屋への道を急いだ。 本体の視界では、その時はまだジョルノは頭の禿げた中年教師の発明の話を熱心に聞いていた。 牢屋に続く通路は、余り清掃がされておらず汚れていて薄暗い。 舗装されているだけで隠れ住んでいた洞窟と大差ないとラルカスは感じた。 煉瓦で組み上げられた壁を照らす、一定の距離を置いて設置された灯りをラルカスは消していく。 ミノタウロスという身体能力では人間を超える怪物の肉体を持つラルカスには、灯りが無いほうが有利だった。 灯りを消しながら黴臭い空気が淀む通路を進むラルカスの荷袋の中、その中でじたばたする亀の中でポルナレフは神妙な顔つきでソファに座っていた。 普段ジョルノが座っている所から人一人分程離れた位置にはテファが緊張した面持ちで座っている。 テファの手には彼女が魔法を使うための杖と、ジョルノがこちらに着て作り出した拳銃が握られている。 ジョルノの夢に付き合う為には、手を汚す覚悟がいると思っているのだ。 ポルナレフはそれを見て少し罪悪感を覚えた。 テファをこんなことに関わらせるべきではないというジョルノの考えに、ポルナレフも基本的には同意しているし、何よりジョルノを裏切る行為だという理解しているからだ。 だが、ポルナレフにはテファの頼みを断る事ができなかった。 テファの真剣な眼差しから感じられる、初めて出会った時の彼女からは考えられないような事を行うと決めた意志に… 既に、それは所詮他人に過ぎないポルナレフが説得できる時期を過ぎていると悟ったのだった。 ここで協力せずジョルノの考えどおりにした所で、テファはジョルノを追いかけてより厄介な事になる。 そう感じたポルナレフは、テファの行動を助ける事を決めたのだった。 だが…ジョルノの荷物から持ってきた拳銃をポルナレフに見せたテファを、ポルナレフは脳裏に描く。 だが、助けると決めてもジョルノの判断の方が正しいような気もしている。 その相反する気持がせめぎ合うお陰で、本当は考えなければならないルイズとのことを余り考えないようになっているのだが。 今は無事にこの件を完了することだけを考えようとしているポルナレフは気付かなかった。 ジョルノを裏切ることになると知っていて協力することを決めたのだ。 最低でもマチルダの救出を完遂し、無事に送り届けるまでは完遂しなければポルナレフのプライドに障る。 あ、ありのまま現状を説明するぜ。 私は再会したテファに同情していたら彼女が悪の道に入る手伝いをする羽目になった。 な、何を言っているかわからねぇと思うが、私にも何が起こっているか(事情が全く)わからなかった。 って言うか私は今こんなことをしている場合じゃあないんだがな。 ポルナレフは内心ため息をつきながら、思いつめた表情で胸元を押さえる手にルイズ達が持っているような杖を握るテファを見る。 自分が泣かせてしまったルイズと比べると同じ生き物なのか疑うような物体が目に入り、ポルナレフは唾を飲み込んだ。 「…ゴホンッ、テ、テファ。もう一度だけ聞いておくぜ。もうすぐ牢屋に着くと思うが…本当にいいのか? こういっちゃ何だが、マチルダお姉さんを助けてもジョルノがお前を組織に入れるとは限らないぜ。アイツを怒らせるだけかも知れん」 「うん。でも、やらなくちゃならないの」 ラルカスのフェイスチェンジで普通の人間の娘のように見える顔を俯かせたまま答えるテファにポルナレフは片手で頭を抑えた。 やはり今のテファを見る限り、説得しても無駄だとしか思えなかった。 後でテファも救出するのに協力しただとか言ってもいいと言っても、テファは退こうとはしなかった。 ここまでやるなんて、まさかジョルノの野郎。 ポルナレフは腕を組んで考え込んだ末、 「手は出してないと言っていたが…実際はテファに子供達には聞かせられないような手を出しまくっておいて、履き古した服をタンスの肥やしにするみたいに厄介払いするつもりなのか?」 「ポルナレフさんよ…アンタ、声に出てるぜ」 天井からラルカスの突込みが入り、ポルナレフはテファに平謝りする。 テファは首を振ったが、意味はわかったのか顔を赤くしていた。 ばつが悪そうにするポルナレフをフォローするように、ラルカスの声が再びかけられる。 「見張りが見えてきたぜ…どうする? 金を掴ませるかそれとも眠ってもらうかだが」 「眠ってもらうのが一番だな。私に任せろ」 「よし」 ポルナレフがマジシャンズレッドを出す。 ルイズとの一件で凹んでいるせいかいつもより迸る炎の勢いは緩やかなようだ。 上半身裸の鳥男は荒ぶる鷹のポーズで亀から飛び出し、亀を抱えたまま早足に歩くラルカスに先行する。 牢を見張る兵士があくびをしている姿が目に入る。 舞踏会の夜だから気を抜いているのかそれとも普段からそうなのかはわからないが、ポルナレフは好機と見て一気に距離を詰める。 「ムゥンッ、赤い荒縄(レッド・バインド)!」 亀の中で突如私があげた叫びに呼応し、マジシャンズレッドが炎の縄を放つッ! 兵士が炎の熱と光に気付き、驚きと共に顔を向けた時には勢い良く伸びた炎が腕を、足を縛り上げ、口を塞ぐ。 中々の速度と精度、そして兵士の顔焼き尽さない程度の奇妙な熱さ。 私は着実にマジシャンズレッドを制御できるようになっている事に少し満足感を覚えた。 崩れ落ちる牢番から牢屋の鍵を奪い取り、ラルカスに投げる。 空中に浮いた鍵や炎の縄をラルカスがどう思ったかは気になるが、ラルカスは何も言わず走り出した。 廊下を通り抜け、牢獄へと続く階段を下りていく。 「ポ、ポルナレフさん突然どうしたの?」 だが、いきなり雄叫びを上げた私の姿はテファには奇怪なものに映ったらしい。 ドン引きしながら声をかけてくるテファに私はスタンドのことを説明しちまった方がいいような気がした。 「ああ、これはスタンドって言ってな。まぁ魔法みたいなもんだ」 「そ、そうなの…」 なんだか誤解が解けていないような気がするが…ま、まぁ余り気にしないで置くとしよう。 今はそれよりも早急にやらなければならないことがある。 ラルカスは既にフーケが入れられている監獄が並ぶ階層に着ている。 「おや! こんな夜更けにお客さんなんて、珍しいわね」 奥の牢から聞こえてきた声にテファは笑顔を見せた。 「この声、マチルダ姉さんだわ!」 「そうなのか?」 ちょっぴりしか聞いた事が無い私には判断が付かないが、テファの様子を見る限りは間違いない。 ポルナレフは再びマジシャンズレッドを亀の外に出してラルカスが見ている牢の中を見る。妙齢の女性が身構えていた。 剣術を嗜んでいたポルナレフには彼女がそれなりに喧馴れしていることと彼女のボディはやっぱり結構グンパツだということはわかった。 訓練しているかどうかはわからなかったが。 「おあいにく。見ての通り、ここには客人をもてなすような気の利いたものはございませんの。でもまあ、茶飲み話をしに来たって顔じゃありませんわね」 「単刀直入に言う。貴方に我々の組織に参加していただきたい」 大柄なラルカスが腰を折り曲げて言うのを見てマチルダは鼻で笑った。 「話が早いね。アンタの組織って言うとパッショーネかい?」 「よくわかったな」 「2メイル越えの巨体のメイジ。その上これだけ手の早い組織ってのはそうはないからねぇ」 ラルカスは2メートル強の巨体。 正確には2.5メートルはある肉体にの今はマントに包まれて隠れているが盛り上がる繋がった丸いボールのような筋肉は威圧感などを加え、見る者にはそれ以上の大きさに見せている。 そして巨大な斧。顔はフェイスチェンジで変えているためミノタウロスではないが、マチルダは逆に納得していた。 ミノタウロスのメイジという話の方が常識的ではないのだ。 自分が納得するような考え…例えば恐怖に駆られた者達が勘違いしたのだとでも考えた方が、納得が行くため…疑問には思わなかった。 「それで返答は?」 マチルダは肩を竦める。 「気が早い男は嫌われるよ。アンタ達が「余り時間が無いのでな。マチルダ・オブ・サウスゴータ。”レコンキスタ”アルビオンの貴族派が動いている」 かつて捨てることを強いられた貴族時代の名前を言われたマチルダの顔は蒼白になった。 マチルダもパッショーネがアルビオンの内乱前後に設立された事は耳にしていたが、まさか知っている者がこの世にいないはずの名前まで調べられているとは思わなかった。 「アンタ、どこでそれを?」 平静を装い、震える声で言うマチルダからラルカスは…正確には有無を言わせずにミノタウロスの体を乗っ取った地下水が視線を自分が降りてきた階段へと向けた。 亀をマチルダに放り投げ、受け取ったかどうかも確認せずに地下水はミノタウロスの体を走らせる。 「ちょっと! どこに行くんだい!?」 降りてきた階段から黒いマントを纏った人物が飛び降りた。 着地すると同時に既にその人物はラルカスへ長い魔法の杖を向けている。その一連の動きだけで、その人物が軍人だという事は理解できた。 教本通りだが、熟練した動き。地下水はじっくり仮面の人物を観察する。 白い仮面をつけており顔は伺えないが、余裕を見て取った地下水は笑みを浮かべているだろうと考えた。 エア・ニードル。杖が細かく振動し、高速で風が渦を巻きドリルのような形状を作り出す。 風で生み出されたドリルが迫ってきても、地下水は走る速度を緩めずに腕をかざした。 腕に当たる風に動じることなく地下水は斧を向ける。仮面の人物は驚いて一手遅れていた。 地下水の放つエア・ハンマーが、一瞬早く飛び退いた仮面の人物を打ち据え、階段を破壊しながら天井へと叩き付ける勢いで吹き飛ばしていく。 天井でプレスされるのだけは逃れたようだが、地下水は追わずに続けて錬金を行い今破壊した階段を塞ぐ。 エア・ニードルは、ラルカスの肉体にかすり傷一つもつけられずに消滅していた。 「今の威力、スクエアクラスか」 二人が一度敗北した『烈風』程かどうかはまだわからないが、地下水と地下水に体を乗っ取られたラルカスは仮面の人物の魔法の腕を理解した。 魔法の腕だけでもないことも…地下水は斧を握りなおした。 一手、相手に譲る。 ラルカスの体を得てからの地下水の得意の戦法。 ミノタウロスの肉体の強度を持って一撃目を合えて受け、大抵驚いて一瞬動きが止まるメイジを叩き潰す。 クリーンヒットせずともスクエアクラスの魔法は、相手に決して軽くは無い傷を負わせる。 だが、この仮面の男はまだ元気に動きまわっている。侮れぬ相手と地下水は受け取った。 「おい、敵か!?」 地下水の背中にポルナレフの声がかかる。 壊れた階段を閉鎖しながら、地下水は振り向いた。空中に浮かぶ亀に地下水は頷く。 「ああ。トリスティン貴族だと思うが、さっさと逃げるぜ。『土くれ』は?」 「今姉妹喧嘩の真っ最中だ」 地下水は返事を聞きながら、亀を懐に仕舞いその場から飛び退く。 直後に、二人が立っていた横の壁が破壊され、散らばっていく煉瓦の波の中から仮面の人物が現れる。 退きながらポルナレフのマジシャンズレッドが放った炎と炎が届く直前、どうにか間に合った風の魔法が衝突する。 仮面の人物に亀を見られはしなかったはずだが、どうしたものか…地下水は悩み始めたが、油断なく魔法の杖でもある巨大な斧を構え、自分の本体である剣が固定されている事を確かめる。 仮面の人物をトリスティン貴族と考えたのは男の動きがトリスティンの軍人、それも恐らくは近衛隊のものだったからだ。 長く傭兵として生き、ガリアの裏でも暗躍していた地下水の経験からしてそれは間違いない。 元貴族のラルカスとしては、この男と正々堂々とこの場で決着をつけたいという気持が沸いている。 『烈風』を今後乗り越えなければならない身としては、当然超えなければならないだろうという義務感に似た感情もある。 だが、こんな相手と戦うのは今回の任務ではないし、ここで時間をかけ騒音を聞きつけて学院の関係者が集まってしまうと不利だ。 テファをつれてリスクを負う気は無い。 今の手際を見れば、このまま逃げるのが容易ではないことは明白だが、任務は完了させなければならない。 地下水とラルカスは湧き上がった感情を抑え、逃げる手を考え始めた。 仮面の人物が杖を下に向ける。 「待て、私に争う気は無い」 「いきなり杖を向けてきて何言ってやがるッ」 「それについては謝罪しよう。我々には優秀なメイジが一人でも多く欲しい。協力してくれないかね?」 地下水は鼻で哂った。 冗談半分の軽い口調でレコンキスタのスカウトに返事を返す。 「貴様こそうちに来いよ。ボスはどんな素性の者でも受け入れる器量があるぜ」 「麻薬の売人如きで終わるつもりか。貴様も元は貴族、ハルケギニアの将来を憂う気持はないのか?」 再度尋ねてくる相手に地下水はうんざりしたような顔をする。 ラルカスは勿論、地下水にもそんな気持はなかった。 インテリジェンス・ナイフとして生まれた地下水にあるのは、この長い生をどのように生きていくかだけだ。 自分の肉体は無く、自分と同じ時間の流れの中を生きる物と出会うことは早々無い。 百年も立たぬ内に退屈になっていた地下水にとって興味があるのは、退屈をどう潰すかだけだった。 その点、ジョルノ達と行動する今は案外嫌いではなかった。 新しい相棒のラルカスの体を使えば今までに無いレベルで魔法を行使できるし、退屈はしない男だからだ。 ラルカスも同じだった。病に冒されていた頃に、既に国家への忠誠はどうしようもなく落ち込み、今はもうない。 だから仮面の人物に油断無く斧を向けながらこう答えた。 「下らんね。俺が興味があるのはどう生きるかだけさ」 ならばと、仮面の人物が纏う空気が張り詰めていくのを感じて、地下水は笑みを浮かべた。 * フーケが救出されようとしている頃、舞踏会に参加するはずだったイザベラは、まだ学院が用意した客室にいた。 本来なら舞踏会に参加していたはずだった。 トリスティン貴族の子女達を背景にパートナーとなった犯罪組織のボスとダンスをしたりするはずだったが… その予定は準備をしている途中で、突然の来客により崩れさっていた。 「ふむ…?可愛らしい娘ではないか。私は本当にどうかしていたらしいな」 「ほ、本当にどうされたのですか?」 イザベラの容姿をザッと上から下まで観察した美丈夫はうん、と大きく頷いていった。 今までそんな言葉をかけられた覚えがなく、戸惑うイザベラにジョゼフは苦笑した。 ガリアの玉座に座っているはずの、時間的には美食を堪能しているはずのイザベラの父親が、屈託のない顔で笑っていた。 「少し前からここ何十年かの記憶を失ってしまってな。ある方の薦めもあって戻ってくるのを待つより、こうして迎えに来た方が案外記憶を取り戻す良い切っ掛けになるのではと考えたのだ」 「記憶喪失、ですか…?」 戸惑いを隠せない娘に、ジョゼフは頭を下げた。 「うむ。これまでは冷たく当たってすまなかったな。許せ」 「え? は? なんで頭を」 呆気にとられたままのイザベラとジョゼフはそのまま、イザベラのことを根掘り葉堀り尋ねているうちに舞踏会は始まり、時間が過ぎた。 ジョゼフは本当に記憶を失っているかのように、色々な事を尋ねてくる父親が本当の事を言っているのかどうか、イザベラにはまだ判断が付かなかった。 だが、舞踏会が始まるその頃になってやっと、そんなイザベラも我に帰った。 「そうか…シャルルは本当に」 シャルルが死んだ時の事を尋ね、悲しげな表情を見せる父親の真に迫った表情。 照明に照らされ、目に涙の膜が張っていることに気付いたイザベラは、父親を疑っていた。 自分でしでかしたことを確認する無神経さには呆れたし、これまでのことを考えると、今のジョゼフは胡散臭すぎた。 誰だコイツ? どうやってイザベラの下へたどり着いたのかとか、色々な疑問もあったが、我に帰ったイザベラの頭に浮かんだのは違和感だった。 若々しい壮年の肉体はそのままだ。蓄えた髭なども。 だが、身分を隠すためか服装はラフだった。 この学院の生徒と大差ない、と言ってもいい。 公式の場意外では余り父と対面していなかったから、というのもあるが。 白シャツ。皮の手袋やブーツ…どれもイザベラが今までに見たジョゼフと比べると、飾り気の無い物だった。 装飾品と辛うじて言えるのは、(これをつけているからジョゼフだとわかったのだが)始祖から受け継ぐルビー位で他には腕にも首にも、何の宝飾もなかった。 杖さえ、一見して良い物とわかるが宝石の類は見受けられない。 それに明るく、陰りなどない表情は…まるで別人のようではないか。 自分の豹変に戸惑うだけでなく、ガリアにいる臣下。その中でも側近となる者達や愛人と全く同じ態度… 疑いさえ持ち始めた娘にジョゼフは気付き、ため息をつく。 人づてに聞いた自分とのギャップを考えれば仕方がないとはいえ、切なかった。 胸中で始祖ブリミルに祈りを捧げながら、ジョゼフは話を切り替え、初めて表情に陰りを見せた。 「そういえばお前が世話になったネアポリス伯や…シャルルの娘にも会わなければならないな。イザベラ、すまんが後で案内してくれないか」 「え、はい。父上」 「シャルロットが許してくれるとは思えんが、母親やオルレアン家のことだけは言っておかねばな」 肩を落として言うジョゼフにますますイザベラの疑念は増し、シャルロットとネアポリスという名前が異様な父親へ一つ尋ねさせた。 「父上、シャルロットをどうなさるおつもりですか?」 「無論正統な地位と権利を与えるつもりだ」 「馬鹿なッ…父上、それは」 「危険性については理解している。シャルル派を名乗る者どもが勢いを取り戻すことも、私がシャルロットに殺されることもない」 断言するジョゼフにイザベラは心の中で毒づいた。 ジョゼフの口ぶりからすれば、そうなるように既に準備が十分に済んでいるのだろう。 そうした手腕に関してはジョゼフは天才的と言ってもいい手腕を誇っている。 でなければ暗愚と呼ばれながらも王を続ける事など不可能なのは、イザベラが一番良く知っていた。 アンタはいいかもしれないけどそれじゃこっちは困るのさ! イザベラがシャルロットを味方に引き込むためにはシャルロットは不幸なままがいいのだ。 今の不幸な状態ッ、ジョゼフが完全にシャルロットと敵対している状況が凄くいいのに! ジョゼフの言う事が本心であれ、何か思惑があるのであれ…謝罪や協力などを求める手紙は、既にシャルロットに出してある。 だが今のジョゼフの言い様からすると、シャルル派の貴族達が揃ってバックにつきシャルロットはシャルロットだけでジョゼフに対抗しようとするかもしれない… 利を考え始めたイザベラにジョゼフは気付いたが、何も言わずに悪戯っぽい表情を作ると部屋に来る時持ってきた大きな箱をイザベラに示す。 「…フン。ところでイザベラが置いて行った使い魔を念のため連れて来たのだが…」 ニヤリとするジョゼフに、イザベラは顔を青くした。 視線を父親が持ち出した金属の箱へと固定して、震える声で尋ねる。 「あ、アイツをですか…!?」 「使い魔とメイジは共にいるものだろう?」 「ですが…アイツは」 当然のことを言うジョゼフにイザベラは口を濁し、ジョゼフが持ち込んだ箱を今度は視界にいれないようにする。 箱の中にいるであろうイザベラの使い魔は…イザベラに劣等感を抱かせる要因の一つでしかなかった。 始めは、喜んだ。 イザベラが数年前に召喚し、未だ衰える気配を全く見せないそいつはハルケギニアでは見ない、新種の鳥だった。 だがソイツはイザベラを使い魔の分際で見下ろしてくる。それが気に入らなかった。 そして、シャルロットが竜を使い魔としてからは、鳥さえ御する事ができない自分を否応なしに比べてしまう…見たくは無い物へと変わっていた。 その時、箱の内側から氷が突き出た。イザベラは悲鳴を上げ、身を竦めながら距離を取っていく。 ジョゼフは逆に好奇心で目を輝かせ、固定化をかけた金属を容易くぶち抜いた氷の鋭い輝きや、その奥から覗く猛禽の目を眺めていた。 金属製の箱をあっさり破壊した氷が砕け、中から一匹の隼が飛び出す。 軽く羽ばたきその体が宙を舞う。 「ペットショップ…」 何か予感めいたものを感じてジョゼフに従い、今勘にしたがって飛び出したペットショップは窓をこじ開けて外へと飛び立った。 一応は主人であるイザベラが後を追ってレビテーションを唱えているのはわかったが、気にも留めなかった。 レビテーションを使えないジョゼフが置いてきぼりを食らった事もどうでもいい。 翼の形状から、頻繁な旋回・方向転換などは不得意であるはずだが、悠々と旋回を繰り返し学院の建物を出たり入ったりして、灯りの近くを移動する。 ニワトリのように夜盲症ではないので、月が二つ輝くハルケギニアの夜はペットショップには十分な明るさだった。 着飾った人間達を見下しながら、ペットショップは自分が召還された時の事を思い出していた。 ペットショップが召喚されたのは、主人の屋敷をかぎ回る糞ったれな犬(イギー)に敗れた直後だった。 最早ペットショップの命の灯は消えかかり、傷ついた体は死体一歩手前だった。 だがガリア王宮の優秀なメイジ達はそんな彼を奇跡的に治療してみせた。 弱っていた自分にキスをした幼いイザベラの顔を使い魔のルーンが刻まれる焼け付く痛みと共にペットショップは今も記憶に止めている。 それから数年の月日が流れた今も。 だが何故か殺す気にならず、それを不思議に思わず主人であるDIOの下へ戻っていない。 命を助けられたから恩義を感じている、というわけではないのは自分のことだからわかる。 そんな殊勝な心がけはペットショップには存在しなかった。 それは使い魔のルーンの効果だったが、ペットショップはそれに気付く事は無かった。 時折頭に浮かぶ違和感を振り払いペットショップは学院の周囲を飛ぶ。 本来なら老衰で死んでいてもおかしくない年齢だったが、そんなことは無視した若鳥のような力強い動きではばたいていく。 目が忙しなく周囲を探り、何かを探していた。 ペットショップにも何を探しているのか明確にはわかっていなかった。檻の中で感じた奇妙な、予感を求めていた。 そしてペットショップは一人の人間に目を付けた。 人間が多く集まる会場から抜け出していく人物にペットショップは羽ばたきも極力押さえて、ゆっくりと近づいていく。 主人とは違う鮮やかな黒髪だったし、体つきも柔だ。 だがその華奢なボディや立ち振舞いに、ペットショップは微かに同じ匂いを見た。 注視する間に何処かへ向かう人間の首筋が見えた…首の付け根にある星形のアザが目に入った。 ジョゼフについてガリアを出る前に出会った男の言葉が頭に浮かんだ。 男はあっという間に、それこそチャームの魔法でも使ったかのようにジョセフと親交を結び、貴族達も恐れるペットショップの視線を受けながら、リラックスした体勢で笑みを浮かべてこう尋ねてきた。 『ペットショップ。君は引力を感じたことはあるかね?』 人間はいつのまにか立ち止まり、首だけ振り向いてペットショップを見ていた。 口元には薄く柔らかな微笑がある。爽やかな笑みだったが、声は不思議と心地よかった。 「よければ、僕と仲良くしないか?」 ペットショップは、当然のように人間が差し出した腕に止まった。人間の背後に力あるヴィジョンが一瞬見えた。 人間を背後から抱きしめるようにする黄金に輝く優美な像と、その頭に腕を置く主人のスタンドの像を。 間違いなく、人間は主人の血統に違いないと、ペットショップは確信した。 「ジョナサン!」 ペットショップを腕に止めたまま、生命エネルギーを頼りにラルカス達のいる場所に向かおうとしていたジョルノは足を止めた。 今出会ったばかりの鳥と共に声の方へと視線を向けた。重力を無視してゆっくりと青い髪の女が降りてくる。 「クリス?」 振り向くとドレスアップしたイザベラが着地していた。 レビテーションかフライの魔法で鳥を急いで追いかけて来たのだろう。 今宵の舞踏会のために時間をかけて結った髪が少し乱れていた。 「…もしかして貴女の使い魔ですか?」 「そうさっなのに…いや、何でもないよ。さ、戻るよペットショッ」 連れて行こうと手を伸ばしたイザベラは、ペットショップが自分に敵意のこもった視線を向けていることに気付いた。 それどころか、その周囲が歪み、冷たい空気が流れ始めているのをイザベラは感じていた。 忌々しい気持が浮かんだが、それをグッと堪えてイザベラはジョルノとペットショップを見る。 今日ジョルノに言われたばかりの言葉が頭に浮かんでいた。 自分に、いや誰にも従わなかったペットショップが、何故だかジョナサンに懐いているように見えた。 …自分で使えないのなら。 当然のように腕に止まりイザベラを冷たく見つめる使い魔の目を眺め、思案顔で考えたイザベラは口の端をもちあげる。 「案外いいかもしれないね。ペットショップ、アンタ…ジョナサンを助けてやりな。私の、じゅ、重要な仕事を任せてあるから、目を離すんじゃないよ」 「いいんですか?」 ペットショップに詰めより言い聞かせるイザベラにジョルノは不思議そうに聞いた。 メイジと使い魔はどちらかが死ぬまで共にいるパートナーだという風に、何かの本でジョルノは読んでいた。 それはこの学院の学生が以前ジョルノも生み出した事のあるジャイアントモールに頬づりしていたことなどを見てあながち間違っていないと思っていた。 それをあっさり手放すイザベラが変わっているのか、未だジョルノには正しい定規がなかった。 微かに顔を赤くしてイザベラはそっぽを向いた。 灯りの方を向いたので、横顔ではあったがより表情がよく見えるようになったのだが、そこは指摘せずにジョルノは礼を言う。 「ありがとうございます。彼はペットショップというんですね」 「そ、そうさ。コイツの視界を通し私はアンタを監視できるんだから、これからはサボれないね!」 少し冗談半分にイザベラは言った。 視覚や聴覚を借りる事はできるが、どの程度の距離までそれが行えるかどうか、イザベラも正確には把握していなかった。 「(一方的になってしまいますが)僕から伝たいことがあれば、すぐに貴方に伝える事ができるようになりますね。後で時間を決めておきましょう」 ジョルノもそれには気付いていたが、一方で可能という事になれば、うまくやれば情報伝達を素早くできるかもしれないとジョルノは少し期待していた。 浮遊大陸であるため、飛行船などでよく使われる風の力を秘めた風石の利用がうまかったアルビオン出身のギャング達を中心に技術を再現できないかと電信等を研究させているが、国家間で通信を行うような段階ではない。 ポルナレフが毎日頼んでいた携帯電話で出前、なんてことをやるのはまだまだ無理な話だ。 「わ、わかってるじゃないか。私もそういう使い方を期待してたのさ」 だから伝書鳩や人手による通信を強化していたのだが、離れている使い魔を使って通信を行うという使い方はありかもしれない。 何より他人にはわからないという点が素晴らしい。 どの程度の距離まで使えるかはわからないが、それで1kmでも縮められたら積極的に採用しようと考えながら、嘘っぽいイザベラに礼をいう。 そしてジョルノはペットショップと共にラルカス達の元へと向かう。イザベラに再び背を向けた時既にその目はペットショップが惚れ惚れするような冷酷さを宿していた。 イザベラは急ぐジョルノの背中に手を伸ばしたが、何故か気圧されて声をかけることができなかった。 人気の無いところまで来た時点で、ジョルノは亀を生み出しそれをペットショップに輸送させるという手を取った。 先程から忙しなく生命反応が動いていた。レコンキスタか学院関係者との戦闘に入っているらしかった。 急いでいけば、まだ間に合うかもしれない…ペットショップが足に掴んだ亀の中で、ジョルノは車のシートで寛ぐようにソファにもたれかかり足を組んだ。 * その頃ポルナレフ達は、学院を脱出し周辺にある森の中へと逃げ込み、呼吸を整えていた。 あの場所でアレ以上戦いを続けていてはいつ学院の関係者達がやってくるとも知れない。 そう考えた地下水は逃走し、森へと逃げ込んだ。 人の手が入らない森はうっそうと茂り、二つの月が放つ光を遮る。 植物の枝葉が重なり合い、夜行性の動物達が徘徊する世界は人間の目では暗闇にしか映らないだろう。 だが、仮面の人物はそこに逃げ込んだ地下水を風の動きを頼りに位置を掴み追いかけてきた。 だから地下水はその人物を今、仮面の人物をエア・ハンマーで砕いていた。 ラルカスの肉体を使った地下水のエア・ハンマーは容易に人間を破壊する事ができる…が、杭のように地面に打ち付けられた仮面の人物の死体は無かった。 ラルカスと同じく、敵も遍在を使っていることに気付いていた地下水は特に驚くことも無く鼻を鳴らした。 何故わかったかといわれると返答に困るのだが、何度も使用してきたからか、なんとなく実体かどうかわかるのだった。 思っていたより手強い相手だった。 鍛えられた肉体、スクエアクラスと思われる魔法の腕と、軍人達が使う戦闘に特化した詠唱方法。 詠唱の技術や体捌きはラルカスや地下水より洗練されていた。 だがどれほど鍛え上げようとミノタウロスと人間の差はその程度では埋まらなかった。 生半可なエア・ハンマーやニードル、カッターでは、主要な風の魔法の殆どは、ミノタウロスの皮膚を貫く事は出来ないのだ。 地下水は斧を振るい、錬金で作り出した避雷針を消す。 エア・ニードルを防いだ自分に何を使ってくるのか。 地下水はライトニング・クラウドを警戒し、敵が放つ瞬間に身代わりを用意したのだった。 それはラルカスの発案だった。 烈風に負ける前のラルカスでは、思いつかなかったかもしれないと地下水は考え…ラルカスに体の主導権を返す。 ラルカスは安堵の息を吐き、亀の中にいるはずのポルナレフに、途中から戦闘を全く手伝わなかったポルナレフに険のある声を出す。 「ポルナレフさんよ。アンタさっきから何やってんだ? アンタも手伝ってくれればこんな冷や冷やしなくてすんだんだぞ」 だが返事は無い。 ラルカスは少し不機嫌になり、ぶっきらぼうに言う。 「ポルナレフ。姉妹喧嘩はどうなった?」 そう尋ね亀を覗き込んだ瞬間、中から伸びてきたゴーレムの手が、ラルカスの首を掴んだ。 「ッ?」 「アンタのボス…いいや、あのクソガキのところに私を案内しな」 中から聞こえてくる声は、地獄から響くような怨念めいたものが感じられた。 少し冷や汗を垂らしながらラルカスは中を見る。 …き、貴婦人に手をあげるのは紳士としてやっちゃいけませんよね? 亀の中の部屋では、同じようにポルナレフがゴーレムに捕まっていた。 そして、説明をしているテファがいて、かなり危険な目をしたフーケと目が合った。 「何してるんです?」 「ボス、アンタいつきたんだ?」 ラルカスはゴーレムの腕を握りつぶし、周囲に目をやる。 見覚えの無い鳥が同じように周囲を警戒している姿が目に入り、ラルカスを見下ろす冷徹な瞳が合った。 「今です。ペットショップに運んでもらいました」 「…アンタに話があるらしいぜ?」 いつのまにか背後に立っていたジョルノへ哀れむような目を向けたラルカスの姿が消える。 遍在を解除し、この場から逃走して舞踏会などに専念する事にしたらしい。 ペットショップが警戒していてくれるので、ジョルノ自身は余り警戒せずに亀の中へと入っていく。 腕を組み、親の敵のように睨みつけてくるマチルダへジョルノは笑みを浮かべたまま礼をする。 「…お久しぶりです。マチルダさん」 「ジョルノ…アンタ、覚悟はできてんだろうね?」 「姉さん、ジョルノは悪くないわ。ジョルノは姉さんとゲルマニアに行けって言うの。でも…」 ドスの効いた声を出すマチルダに、慌ててテファが説明する。 だがマチルダは可愛い妹を一瞥しただけで、面白くなさそうにジョルノへ視線を戻す。 To Be Continued...
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夢のパラレル聖杯戦争という名の魔境に放り込まれた我らが主人公 パラレルではいろんなところで活躍してくれたウリエルがTS&超強化されて参戦! …なお、これぐらい強化しないと詰むらしい 頑張れポルナレフ!負けるなポルナレフ!泣くんじゃないポルナレフ! ┏━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━┓ 【名前】:J・P・ポルナレフ 【レベル】:30 【アライメント】:中立/善┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳┻━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┓ 【筋】:10 【耐】:10 【敏】:10 【魔】:60 【運】:0 【宝】:--┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫ ムヾ 川 /////〃〃/// / タ´`ヾリ////〃〃// .彡 / タ `"""´´´`ミ ニ 彡彡/ / 〃 J ミ ニ彡彡/ ニ 、 ⊥ 士 士 士 士 士 | | { __{(( .._ ミ ニ 彡 / ノ ノ| ) (メ ) (メ ) (メ ) (メ ) (メ ) ・ ・ }どo ゞ‐`ヱo~ゞ ヾミ彳う) ,' / ``` りノ ! ({ 、 ├タ /| ィニ‐-、 /〃リ r'´}! } __ ', / r'") ,r==、Zノ| レ三‐ -フ / ノ / ハ {  ̄ / |リ _../ ヲ /_ ノ) \ -‐- リ/´/ 〉ー "/ー‐ ヽ |`==‐ '" ト、┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ 【礼装作成:100%】 【スキル】 ○スタンド「シルバーチャリオッツ」:A (種別:魔術 タイミング:セットアップ 消費魔力50) 前提として、このスキルは「対魔力」の影響は一切受けない。 使用を宣言することで、【筋】【耐】【敏】の自陣の数値に「+20」し、自陣の参戦人数を擬似的に「+1人」する。 かっこいいネーミングだが、要するに戦闘用の人形である。 一品物であるためか、普通に強い。 また、その攻撃は全て物理攻撃であるため、対魔力で防ぐことは不可能である。 ただし、制御の関係でポルナレフから離れ自律行動はできない。 ○銀の剣:B (種別:礼装 タイミング:常時) 敵陣に「霊的存在」が居る場合、1名に付き「-20%」の勝率ペナルティを与える。 ポルナレフが対サーヴァント用に用意した剣。 霊体に対して効果が抜群である。 ……本人が弱いので、これで互角に戦えるとはとうてい思えない。 ○レクイエム:EX (種別:異能・支援 タイミング:特殊) 聖杯戦争中、1度だけ、令呪の消費なしに撤退が可能。 加えて、このキャラクターは撤退に必要な令呪が常に「1画」軽減される。 ただし、どちらの撤退補助も同盟・共闘した陣営に適用することはできない。 また、ランダムイベントの結果が気に入らなければ、1ターンに1度振り直すことができる。 ただし、PC用とNPC用を纏めて振り直すこと。 こ、これは夢なんだ、現実じゃ無いんだ……と強く念じることにより、 本当にその結果が現実で無くなる異能である。┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ 【使い捨て礼装】┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛┏━━━━━━━━━━━━━━━┓ ≪クラス≫:セイバー┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┓ 【真名】:ウリエル 【レベル】:80 【アライメント】:秩序/善┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┓ 【筋】:40 【耐】:40 【敏】:40 【魔】:50 【運】:30 【宝】:70┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫ 【令呪残数】:炎炎炎 【貯蔵魔力】:190/190 【魔力供給の不足】:┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ / `ヽ、 / / ヽ \ / / ∨ ヽ / , / / ,イ| | . ∨、 ', {/ /, / // } /| | | | } / /イ , ' ///、/' / /,/イ i.| } | | / {//|イ斥㍉ヽ/ /,ィ㍉} / | / /l | / _{_ { 弋zソ , / ヒソ / /}∧/ リ`丶、 / /////////\ / ; イ` 、 ` 、 __/イ//`ヽ、//////// __ ` イl | ` 、 ` 、 ______ ///////////\/// /> __ <//| | ` 、` ∨ // `ヽヽ__//--- ミ/////// \ ∧ ∧////- 、 | | ` 、 <'_ } ト、⌒ヽ \////////〉 }-―_ァ/////i| |_ ` ー} ̄∨ /⌒ヽ、 } ∨//////i从 ̄ i∨/// | | ― _ | |-、⌒}/| }__}------</_/ リ_、 .|/イ ̄ 从{- 、 _| | }イiii| |_,..、〈〉//〈〉//} }  ̄ Y^ヽ / / i\ | |__ノ,-、 ! !〉 }-,///> ´ ̄ イ{_/ { } i }⌒ ー、 | | _ノ ///{ | {r, ̄ ヽ }\ ∧ー __/、__っゞ' _/___/_) ___ノ/ ノ// } /{_ハー ´\', _,.. < //⌒} / / /¨´、 | /| . | ∧ _,... ´ \_/ /_/_/¨´¨´////} ∧__/ } | //∧- ´ //// ̄ ̄´////////// / __ / ()ー<////∧ /////////////////// ´¨ ` ー' ,ノ/////l∧ /////////////////// \(_) / ∨//////∧┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ 【スキル】 ○対魔力:A(種別:一般 タイミング:常時) 敵陣のAランク以下の「分類:魔術」であるスキルを無効化する。 またA+ランク以下の「分類:魔術」の数値的効果を「半減(端数切り捨て)」する。 Aランク以下の魔術をキャンセルする。 事実上、現代の魔術師ではセイバーに傷をつけられない。 ○騎乗:D (種別:一般 タイミング:メイン) ステータス比較で【敏】が選択された場合、自陣の数値に「+5」する。 並の乗り物なら人並み以上に乗りこなせる。 ○神性:A (種別:一般 タイミング:常時) このキャラクターは、常に勝率に「+15%」の補正を得る。 敵がより高いの「◯神性」を持っている場合、無効となる セイバーは非常に高い神霊適正を有するが、諸般の事情で“聖人である”との烙印を押されたため、 その信仰、認知によって、かろうじてサーヴァントとして召喚可能な英霊としての格に留まっている。 ○聖人:A (種別:一般 タイミング:常時) 戦闘時の魔力消費のみ「50点」軽減する。 また、自陣の勝率に「+10%」する。 諸般の事情で“聖人”の烙印を押された故に得たスキル。 魔力消費の軽減が可能だが、本人的に心境は複雑。 ○魔力放出(炎):A++ (種別:一般 タイミング:メイン 消費魔力:30) ステータス選択において、自らが任意で選択したステータスを「+30」する。 魔力により精製した聖なる炎を自身や武器に帯びさせ、瞬間的に放出することで能力を向上させる。 非常に強力なスキルであるが、大量の魔力を湯水のように浪費するため、燃費が極端に悪い。┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ 【宝具】 ◎裁き灼く 神炎の剣(セイバー・アウリエル) ランク:A++ 種別:対城宝具 タイミング:クリンナップ 消費魔力:170 この宝具を発動するには前提として、その戦闘で「○魔力放出(炎)」を発動済でなければならず、 またウリエル自身が対象を、この宝具を使用するに値する“邪悪”であると認識していなければならない。 宝具が効果を発揮した場合、このキャラクターは戦闘結果判定を省略して、戦闘に勝利する。 さらに、この宝具の効果で勝利した場合、敵陣は撤退に必要な令呪が「1画」増加する。 この宝具は膨大な魔力を発しながら周囲に大きな被害を齎すため、発動は全ての陣営に感知されることとなる。 『創世記』に記述される、楽園の入り口を塞いだきらめいて回る炎の剣。 名実ともに神造兵器であり、神霊レベルの魔術行使を可能とする。 真名の解放により神の炎は溢れ出す。……恐れよ。それは裁きの日、罪人を焼く業火。 ◎灯し守護せし 熾天の焔(ケルビム・アウリエル) ランク:A+ 種別:対人宝具 タイミング:メイン 消費魔力:60 この宝具を発動するには前提として、その戦闘でセイバーが「メイン」でなければならない。 宝具が効果を発揮した場合、自陣の勝率に「+50%」することが出来る。 加えて、タイミングが「メイン」「クリンナップ」である敵陣のスキル効果を全て無効にする。 天におけるすべての発光体と地上の運行、気象、自然現象を司る天使としての顕現。 太陽の如きその焔は、遍く冒涜者を焼き払うだろう。┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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「これにはッ!勝てるかなッ!!承太郎ッ!! 『銀の戦車(シルバーチャリオッツ)』プラス『アヌビス神』 二刀流ッ!」 『ジョジョの奇妙な冒険 ~未来への遺産~』に登場する、アヌビス神がジャン=ピエール・ポルナレフに取り憑いた状態。 海外では「Black Polnareff」という名称で呼ばれている。 ポルナレフ自身のスタンド「シルバーチャリオッツ」のエペにアヌビス神の刀が加わった二刀流で、 原作ではアヌビス神の技や力を「憶える」能力により、あの最強スタンド「スタープラチナ」を持つ承太郎を危うい所まで追い詰めた。 同じくアヌビス神に操られているチャカやカーンと違い、刀身が途中で折れているのは、 床屋の主人(=カーン)との戦闘時に、承太郎がスタープラチナで真剣白刃取りして折ったためである。 宿主を変えることで強さも変わるスタンドだけに、SPWによるスタンド評価も、 破壊力 スピード 持続力 精密動作性 成長性 不定 不定 ∞ 不定 A 上記のようにほとんどが不定とされているが、後に画集『JOJO A-GO!GO!』に掲載されたスタンド評価では、 破壊力 スピード 持続力 精密動作性 成長性 B B A E C とされている。 ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険』でのアヌポル しかし3部ゲーでその強さは無く、弱キャラと言われている。理由の一つがタンデムを持たないという点。 加えて手数がやたら少なく、相手にスタンドモードで待たれると辛い。おまけにアドバンシングガードとの相性まで悪い。 彼や彼、或いは彼のようにEXキャラクターよりも通常のポルナレフの方が強かったりするのはご愛嬌(詳しくはこちらの項にて)。 だが、あくまで周りが強すぎるだけであり、絶対的な性能はかなりのもの。普通の格ゲーに出ていれば上位に入れるレベルである。 …ただしアドガやガードキャンセル、ブロッキングのような防御システムがあるゲームではやはり弱キャラだろうが。 アヌポルの性能を見ていくと、 範囲や判定が強いジャンプ強。判定が強くヒット確認が容易で、スキも少ないしゃがみ強 高速で中段・下段の二択を押し付けられ(ただし1、2段目問わずアドバンシングガード>小パンで反確)、連続技の主となる「鬼連斬」 範囲が広く対空や連続技に使え、強以外ならガードされてもスキが少ない「達人二刀流」 上中下段全てを取れ、チャカやカーン同様に一度覚えた技は、全ての技でガードキャンセル可能になる超高性能当身「憶えたッ!」 無敵が長く、対空・連続技など汎用性が高いアヌポル版アーマーテイクオフ「ダメ押しと言うやつだッ!」(ウッシウッシ!) 入力完成~発生直後まで完全無敵で、奇襲・反撃・連続技・対空などに使え、威力も高い「絶対に負けんのだッ!」 といった強みが挙げられる。 通常技・ゲージ技共に優秀なものが多く、コンボも割と簡単かつ火力も高いため、タンデムを使いこなせない人にはお勧めできるキャラ。 また、多段ヒット技をコンボに組み込めるためゲージ回収率が非常に高い。1コンボで1.5ゲージは溜められる。 実際攻め手は強く、ノーゲージの火力だけなら承太郎にも匹敵する。 しかし、ワンパターンでラッシュ能力が低くゲージ技はぶっぱ用。それがアヌビス二刀流ポルナレフなのだ。 なお、名前に反して二刀流の攻撃は2つしかない。 参考動画 「とっておきのダメ押しというやつだッ!」 MUGENにおけるアヌビス二刀流ポルナレフ MUGENでは悪咲3号氏の一体のみ存在する。 2019年のYahoo!ジオシティーズ終了に伴い代理公開先が消滅したため、現在はhamer氏によって代理公開されている。 PS版のスプライトが使用されているため、スタンドの色数などが少なめとなっている。 AIは1%氏のものが存在していたが、現在は正規入手不可。 AIレベルが細かく設定されており、なんと6桁もの値を使って制御されている。 時間経過や「憶えたッ!」の成立によりAIレベルが上昇していき、 最終的には敵の全ての攻撃を超反応でカウンターしてくるようになるという原作を再現した特性がある。 残り1ドットの体力から怒涛の猛反撃を仕掛ける姿は、アヌビス神を代表するセリフ「絶対に負けんのだっ!!」を地で行くかのようである。 またMUGENということで、全てのキャラにアドバンシングガードがあるわけではないため、 下段と中段に派生できてガードされても不利にならない「鬼連斬」による固め・崩しが強力。 ただ補正か根性値の関係なのか、相手のライフが減るとやたら安くなる。 特にライフ3割ぐらいからは超必を当てても精々1割程度しか減らないぐらい安くなる。 そのため最初は圧倒していても殺し切れずに負けるパターンも多く、逆に不利な状況からワンチャンで逆転することはほぼ不可能。 チーム戦では大将を任すよりも副将辺りの方がゲージ溜め要員として活躍してくれるかもしれない。 ニコMUGEN初期から極めて強力なAIが存在し、多くのトーナメントに顔を出している。 現在でこそ正気の方に席を譲ることが多いが、作品別トナメのJOJO枠を担うことも多い。 ゲージ回収率の高さも健在でアヌポルを副将辺りにしてゲージをふんだんに使う大将が大暴れするケースも多々ある。 「やったッ!勝ったッ!仕留めたッ!」 出場大会 + 一覧 シングル カオストーナメント レベル2 もっと評価されるべきトーナメント ゲージMAXシングルトーナメント【Finalゲジマユ】 サムライ+αトーナメント HP引継ぎトーナメント オールスターゲージ増々トーナメント 強以上上限無しトーナメント【強~神クラス】 MUGEN祭 大盛りシングルトーナメント タッグ デミトリによる珍しい男女タッグでリーグ戦 ゲージMAXタッグトーナメント【ゲジマユ2】 新生ベストパートナー発掘トーナメント 新生タッググランプリ【並と、強と、時々凶】 第3回同人キャラ混合タッグ選手権 ふたりはプリキュア!トーナメント 第3期いつかの敵は今日の相棒大会 遊撃祭 アンノーン主催FINALバトルロワイアル ヒャッハー!今度はスタンダードなタッグだぁ! ノリと勢いではじめた男女タッグトーナメント タタリフェスティバルッ!! ゲージ増々タッグトーナメント 相性がいいと思った男女タッグトーナメント mugenオールスター?タッグファイト ぶちクロスランセレサバイバルinタッグ 地獄の果てまでもっと!仲良し! ギース&ロック中心強前後タッグバトル 第二回 共通点のあるキャラ同士でタッグトーナメント チーム はい、二人組み作ってトーナメント MUGEN∞動画改作トーナメント 高性能チームトーナメント【最終鬼畜全部大将】 あの日の俺に会いに行く mugen懐古厨大会 自重しない無調整トーナメント【強クラス】 スタンダードチームバトルトーナメント 大規模ネタチームトーナメント【大将以外全員かませ】 ネタかリアルか?作品別本気80%トーナメント 第2回成長トーナメント サクッと終わらない作品別トーナメント Gルガ以上ボスハルク未満チームトーナメント No.1ヘアースタイル決定戦 作品別凶キャラチームトーナメント~エイプリルフール杯~ 大将だらけのチームトーナメント【早苗さん杯】 初心者による試作の為のトーナメント 捕食サバイバル【沙耶杯】 陣取り合戦TAG 無縁塚トーナメント あまり(ry 大体作品別チーム大会 英雄サバイバル【恋ドラ杯】 部活動対抗 熱血青春サバイバル その他 はい、○人組作って運動会 作品別味方殺しタッグチームバトル 無限旗争奪選抜団体対抗トーナメント 力こそ正義(笑)グランプリ 全員集合ランセレパーティバトル 霊夢争奪戦第二幕 第2回俺と俺の嫁が最強だトーナメント【嫁自慢トナメ】 大乱闘!強以上際限無しトーナメント【強~神クラス】 作品別B.C.2010 第3回作品別全部全画面判定トーナメント 大番長勢力属性別全国制覇タッグ戦 最終鬼畜作品別全部全画面判定トーナメント 運命のサーヴァントクラスバトル 第2回最終鬼畜作品別全部全画面判定トーナメント エンドオブ最終鬼畜作品別全部全画面判定トーナメント 更新停止中 タッグレース MUGEN・バトル・ラン 自分の分身とトーナメント 第2回作品別Ultimateトーナメント 【超過激】MUGEN作品別トーナメント【超危険】 高性能作品別成長トーナメント クロス・イン・ワンダーランド~夢幻武闘劇~ 格差社会を生き抜け!ランセレ成長バトル 大乱戦!!強以上極限0トーナメント【強~神クラス】 世紀末全部全画面判定トーナメント mugen 作品別トナメ fighting festival 凍結 闘神大会 大貧民+成長ランセレバトル【格差社会】 陣取り合戦TAG 出演ストーリー MUGEN STORIES INFINITY アイマスハート イングリッドの愉しい学園生活 デッドマンズ(紅丸) はい、○人組作って運動会 ブランドー一家 └新約ブランドー一家 宝石少女とツギハギのカミサマ 世紀末救世主ジャギ伝説 その他 MUGEN∞動画番外篇 うろ覚えストII
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シルフィードが青い空を飛んでいく。 溶け込むような色合いの鱗にしっかりとしがみつきながら、マジシャンズ・レッドの炎が揺らめくのをキュルケとポルナレフは見ている。 首の根っこに跨ったタバサの隣で、ルイズが身を乗り出して眼下に広がる森を見ていた。 後ろから迫る巨大なゴーレムがゆっくりだが、確実に離れていく。 だが、ポルナレフ達は逃げているのではない。 眼下に広がる森の中からフーケを探さなければならないのだ。 だからすぐに見つからなければ、フーケを探してゴーレムをこの森の上でかわし続けなければならない。 その事を理解している皆の表情には焦りが見え、特に追い掛け回されるシルフィードは必死だった。 そんな様子を、追跡されている『土くれのフーケ』は冷静に見つめていた。まるで養豚場の豚でも見るような目で見上げる。 「逃げるんじゃあ無いようだね。ミス・ヴァリエールのお陰かねぇ?」 小馬鹿にしたような口調だったが、顔に笑みは浮かばなかった。 それどころかシルフィードを睨みつけ、歯軋りをせんばかり… あのまま、ゴーレムと戦い消耗してくれていればよかったのだが、マチルダの予定は狂っていた。 「あの亀…やっぱり、どう見たってジョルノ・ジョバァーナの亀だね」 木陰に潜み、近づいてくるシルフィードの姿を見ながらマチルダは確認と、自分にいい聞かせるように呟き始めた。 本当は別の目的があった。 アルビオンに隠れ住むテファの為、円盤の使用方法をメイジ達に使わせて理解するという目的…! マチルダのテファへの感情は複雑だった。 テファは、サウスゴータ家が主君と仰いだ王弟で財務監督官だった大公の一人娘だ。 アルビオン王家やそれに追従した貴族への恨みを持つとはいえ…いや、だからこそ王家に杖を捧げてきた貴族としては、 テファこそ正統な、アルビオン王位を継ぐに、真に相応しい方の娘だ、なんて想いもないわけじゃない。 貴族に戻るなどの利益を求めての考えではない。 そうでなければ…! 彼らが正しいとするのなら…! 亡父達が間違っていたというのか? そんなわけはないのだ…マチルダは突然湧き上がった衝動のままに隠れていた木を殴った。 どういう事情がったのか、マチルダも完全に知っているわけではない。 だが、エルフだからって理由だけで幼い子供を殺すような真似は貴族のすることではない。 愛人とて、義務の為に望まない結婚をした貴族が恋人とその後も関係を続ける話は、大っぴらに良しとはされないが、平凡な話である。 だから、テファをどうしても主君の娘として見ることはある。 彼らへのあてつけでテファを生かしておこうなんて想いさえ、マチルダにはあるのだから… しかし同時に、何年も面倒を見続けてきたテファに愛情が沸かぬほど情が薄くもない。 もう既に、マチルダにとってテファは妹であり、娘でもあるような大切な存在だった。 そういう複雑な想いを注ぐ大事なテファが、あろうことか男を召喚したという話を聞いたことが…昨日聞いたことのように思い出される! あの糞ガキッ!! マチルダでさえうっかり騙されちまう、あの爽やかな笑顔が思い出されるッ! アルビオンの冷たい冬の終わり、春の訪れを伝える花の蕾が開きだしたのを見つけた時のような気持ちッ、 鬱陶しい雨を降らせる雲の隙間から差す暖かな陽光を浴びた時のような気持ちを植えつけるくせに、時折チラつかせるあの色気ッ…! 放っておけば間違いなくテファを誑かして悪い道に引き込むに違いないッ!! そのジョルノ・ジョバァーナが、マチルダがある貴族から盗んだ円盤を渡した直後から、マチルダが少しだけ見せてやった裏社会で何か行っているらしい… テファがそんな道に引きずりこまれるのは最早時間の問題だろう…次に戻った時に排除するしかないッ! マチルダはそう決めていた。 ジョルノ・ジョバァーナは抜け目ないガキだ。排除しなければならないが…円盤を使っているのならそれを知らなければ、追い詰めた所で足元を掬われちまうかもしれない。 その為に、ジョルノ・ジョバァーナを確実に葬りさる為にできれば『破壊の円盤』の使い方と力を知っておかなければならなかった。 だがそれは、復讐とかは止せと言っていたテファに姉のように慕っているマチルダが盗賊をしていると知られてしまう事に比べれば、カスのようなものに過ぎなかった。 何より、テファの存在が亀の口からうっかりばれて、妹か娘のように可愛がっているテファの身に危険が迫ることに比べれば…! 「円盤も使ってないようだし…こうなると、今重要なのは円盤じゃないね…あの亀だ。喋れるようになった亀の口から、私の事がテファにばれたり、テファのことが誰かにばれちまう方が、ずっとヤバい」 言いながらマチルダはローブの中に手を入れていた。今のこの状況を、マチルダは切り抜けなければならなかった。 円盤にどんな力があるのか知る事ができないのは残念だが…どんな手段を使ってでも、亀の口を封じて逃走しなければならなかった…! 懐を探り、微かに震える手で取り出したのは小さな紙の包みだった。 一時の甘い夢、心地よい幻覚に誘われ、あるいはどんなことでもできるような全能感を味わうという手の中の禁制品の一種が、その包みの中に入っている。 それを、マチルダは硬い表情で見つめた。依存性などがあるという話をマチルダは知っていた。 だがこの薬には、精神を高揚させ魔法の力を一時的に高める力がある…! ドーピングとしての力、体を蝕むがゆえに禁止されている上、値も張るが、その効果から念のために一つだけ用意異しておいた欲望の白い粉。 当然使いたくなんて無いが、相手にはマチルダと同じトライアングルが二人いる。 その上あのように飛ばれていては、あの亀を殺すのはかなり困難だ。積んでいる、と言ってもおかしくはないかもしれない…だが逃がすわけにはいかないのだ! 近づいてくるシルフィードの姿を一瞥し、フーケは包みを開いた。 時を同じくして、シルフィードを追いかけていた30メートルのゴーレムが突然崩れ始める。 決して精密なつくりではなかったが、それでも土が零れることは殆どなかった土の人形が、手を伸ばした形で動きを止めていた。 溶けるようにして、ゴーレムは人型ではなくなり、土の山へと変わっていくことに後ろを見ていたキュルケが一番早く気付いた。 シルフィードやタバサは前を見ていなければならなかったし、ルイズは身を乗り出すようにして眼下に広がる森を見ていた。 ポルナレフは勿論、生物探知機でもある炎が燃え盛るかどうかを見るのに集中していたのだが、「見て! ゴーレムが…!」 キュルケの声に、皆自分の行動を止めて、シルフィードまでが首だけ振り向いてゴーレムが崩れ落ちて、下に生えていた木々を押しつぶしながら大きな土煙が上る光景を見る。 だが、それが彼らの行動を一手遅らせた…! そうする彼らの行く手で、木々を突き破り新たに生み出されたゴーレムの腕が、生き物のようにうねりながらシルフィードの前へ急速に伸びていく。 森の木を巻き添えにしたまま天へと突き出されようとしているのは、崩れ落ちた30メートルゴーレムの腕と同じサイズの腕だった。 生物探知機を有効にする為に低空で飛行していたシルフィードとその背に乗るポルナレフ達の上に影を落として、腕は成長をやめた。 構成する土くれの一部が崩れていくのにも構わず、今までに無い、本物の人間めいた動きで手が蠢く…メイジが使う魔法は、基本的には共通のものが使われる。 レビテーション、ウインドカッター。それらはどの国でも共通だが、そこにメイジ個人の能力と隠しようのない癖が現れる。 その点から言えば、つい先ほど背後から追いかけてきたゴーレムを作ったメイジとは、別のメイジが作ったような巨大な土の手は手を形作る土くれを撒き散らしながらも、恐ろしく素早かった。 だが日頃表情を動かさぬタバサが、目を見開くまでに広げられた手はシルフィードを叩き落し、何故かすぐには追撃を行わずに小刻みに震えた。 木々をなぎ倒して墜落するシルフィードが地響きを立てている間に、ゴーレムは再び土を集め、否応なしに圧迫感を与える巨体を作り上げて彼らの前に立ちあがろうとする。 マチルダはそれを少し離れた場所で眺めていた。 「そいつらを埋めちまいな…!」 亀を逃がしてしまうと、妹、あるいは娘のようにさえ思うテファの事が脳裏にひっかかっていたというのに… 鼻歌の一つでも歌いだしてしまいそうな清清しい気分が、心の内から湧き上がってきてしまう…! 自然と笑みが広がっていた事に気付いたが、マチルダは杖を振るう。 砕け散った巨大な手がルイズ達の上に土の塊となって降り注ぐ。 髪や服に降り注ぐ土から、体についた土を嫌そうに払いつつキュルケが逃げる。 シルフィードの無事を確かめたタバサが視線を微かに険しくし、「ここにいて、シルフィードを」と言い残して『土くれのフーケ』を追う亀を追いかけ森へと消える横で、ルイズは降り注ぐ土に目もくれず周囲へ忙しなく目を向けていた。 頭にこぶし大の土がぶち当たり、ぶん殴られたような衝撃に目が眩んでいても、血が滲んでもルイズは目と手を動かしていた。 タバサと共に、炎により生命を探す能力を持つ亀を追いかけようとしていたキュルケは、それを見て先にルイズへ叫んだ。 「ルイズ! 貴方何やってんのよ!「円盤がないのよ! 今叩き落された時に、何処かに落としちゃったのよ!」 震える声で叫んだルイズの目は潤んでいた。 今回の目的でもある戦利品を失くしたと聞かされたキュルケは、ルイズの頬を叩いた。 一瞬動きを止めるルイズにキュルケは言い聞かせる。 「馬鹿ね…ッ。貴方の体を守るのが先でしょ!」 「ば、馬鹿って何よ! アンタには「ほら、次の攻撃が来る前に動くわよ!」 「きゅいー!」 喚くルイズの手を引いて、キュルケはフライを唱えた。 フライの使用中は強力な魔法を使えなくなるが、代わりに高速で空を飛ぶことが出来る。 ゴーレムがまた崩れ、腕だけを素早く天へ突き出すのを見ながら、キュルケはルイズと『土くれのフーケ』がいるらしい、亀とタバサが消えた方へと飛んでいく。 離れていく二人へ残されたシルフィードが必死に鳴き声を上げたが、ルイズ達にはそれを気にする余裕はなかったし、目に見える傷が、硬いウロコのお陰で無かったせいで、然程気にしていなかった。 「きゅいきゅいー!(ゴーレムに潰されたらどうするのね!)」 離れた場所にまた腕が出現するのを見て、二人の後方で必死に手足をバタつかせるシルフィード。彼女?が自分で倒した枝葉が絡まって素早く空へ逃げることもできないことに、二人は気付かなかった。 その代わりに素早く生み出され木々をなぎ倒しながら、振り回される腕が狙うのは亀である事には気付いていた。 キュルケの位置からは良く見えないが、炎が上がり、土くれでできた巨大な腕が破裂するので追われているのは亀だと判断する。 ディスクを探すのを邪魔され、騒がしくするルイズと共にキュルケは木々の間を縫うように飛ぶ。 亀が狙われているようだとは思っても、慎重な部分が警告し木の上まで上がるのは躊躇いがあった。 そう遠くない場所で、木の幹が折れる音と共に地響きがする…断続的にその音は響き、発信源が少しずつ遠ざかっていく。 抱きかかえられ、胸が当たるせいもあって幾分余計に暴れるルイズにキュルケは目を落とす。これ以上暴れられると、落としてしまいそうだったのだ。 「円盤を探すのは後でいいじゃない…フーケを捕まえてからゆっくり探せばいいわ」 「…わかってるわよ。だ、だから離しなさいよ!」 「はいはい…」 音が離れていくのを聞いて、渋々納得し悪態をつくルイズをキュルケは笑った。 ルイズとて、状況がわからないわけではない。使い魔のカメナレフは先程から頑張っている。 タバサもだ。キュルケの今の態度とて、ヴァリエール家の宿敵ツェルプストーとは思えないものだ。 トリスティンを騒がせる盗賊フーケを相手に、シルフィードが叩き落された所なのに、ルイズを気にかけている。 だが、そんなキュルケに素直な態度を取れずに、ルイズはふくれっ面をして森の中を走っていく。 先程当たっていた大くて柔らかい脂肪の塊。何より、自分の目の前で使われる魔法の数々が、ルイズのコンプレックスを刺激して止まない。 キュルケが、ルイズにあわせてフライを解き森の中を走っているのが、草をかき分けて進む音でわかって、爪が食い込むほど強く手を握り締めた。 遠くでまた何かが燃え上がる大きな音がした。土くれの腕が弾けるのが見え、亀が空へと舞い上がった。 それを追ってどろを飛ばしながら、何本もの手が亀を追いかけていく…だがそれらは突然砕かれた。 魔法学院に入学してから、自分の系統を探そうと必死に勉強を続けていたルイズには、それがエア・ハンマーの魔法だとわかる。 「向こうね! 急ぎましょう!」 彼女が扱う炎のような色の髪をかきあげて、キュルケは軽快に森の中を抜けていく。 生い茂る長い草や突き出した根が、小さなルイズの行く手を遮って、キュルケより一歩遅らせる。 魔法が使えないからいつも走っているルイズの足は他の貴族達と比べれば速かった。 だが20cm近い身長と、魔法で道を切り開くキュルケは、ルイズより更に一歩分前に進む。 その後を進めば楽に走れたが、横目で見たルイズは、短いスカートから覗く足が切れるのも構わず、進んだ。 軽く流し目を送り、キュルケが笑うのが見え、唇をかみ締める。 フライを唱えて杖を振るっても、何も起きなかった。 「爆発だけでも起きればいいのに…!」 きつく唇をかみ締めるルイズを、普段どおりからかうようにキュルケが声をかける。 「どうかしたのルイズ? 遅れてるわよ!」 「うっさいわね! 黙って走りなさいよ!!」 二人が騒音の聞こえる方へと走っていくのを、静かに観察する男がいた。 そよ風に揺れる3つのコロネと口元の爽やかな笑み。そしてキュルケよりも大きく開いた胸元は、勿論ジョルノだった。 手でちょっぴり土で汚れた円盤、先程ルイズが必死に探していたモノを弄んでいたが、呟く。足元のモグラ達が、ただの石ころへと戻っていく傍らで。 「ツェルプストーとヴァリエール。奇妙な組み合わせだが、ポルナレフさんを召喚したのはヴァリエール家なのか」 髪の色と先日出会ったヴァリエール家の女性達の面影、そして魔法が使えなかった点から推測を立てながら、ジョルノは二人が消えた方向に背を向けた。 手の中のディスクに映るスタンド、『ワールド』の姿が奇妙に印象に残っていた。 例えて言うなら、首の背中の付け根が疼くような感覚…空いている手でジョルノは首筋を撫でる。 そうすることで何かわかりそうな気がしたのだが、無駄なことだった。 ジョルノは頭にディスクを差す―ずぶずぶずぶずぶ「ジョルノ、治療が終ったぞ」 木々の間を縫って向かう先では、ラルカスが手を振って合図している。ジョルノは頷き返した。 シルフィードの治療を終えて報告に来るラルカスに気付いたジョルノは、二匹?に駆け寄る。 その手には櫛が握られ、手早くコロネが梳かれていく。徐々に二人との距離も縮まる内に、手馴れた様子で櫛がコロネに突き刺さる。 コロネが一つ、二つと解け、最後のコロネが解けると同時にジョルノは二匹の元にたどり着いた。 「ジョ「ジョナサン」ジョ、ジョナサン、助かったのね! 全く、お姉さま達ったらシルフィーを置いて「話は後だ。今やる事はわかるな?」ひーんっ…お、斧を突きつけるのは止めて欲しいのね!」 ラルカスが涎を垂らしながら、杖代わりの斧でグリグリとシルフィードの頬っぺたを押し込む。 それが杖だということは治療をしてもらったシルフィードがよくわかっていたし、人間ではとても片手では扱えないサイズの黒光りする斧を軽々と扱う牛男に洞窟で戦った記憶が蘇ったのか、シルフィードの涙腺は決壊寸前だ。 ジョルノは苦笑してそれを眺めながら、髪に染色剤を塗りこんで、上着を脱ぐ。 亀の中へテントウムシのブローチがついた上着を仕舞い、代わりに出した汚れ一つ無い白いシャツを羽織ってボタンを留めていく。 ギーシュのようにフリルが付いてるわけではないが、使われている生地の光沢と洗練されたシルエットが黒髪になったジョルノを引き立てていた。 ラルカスが今着ているモノと同じく、ジョルノが作った偽ブランドで作られたシャツなのだが、筋肉質過ぎて聊か不恰好になってしまうラルカスには、本当に同じ商品なのか疑いたくなる優雅さをシャツは与えていた。 「怖がらせても仕方ないでしょう。シルフィード、飛べますね?」 言いながら斧を下ろさせるジョルノに、シルフィードは一も二もなく頷いて二人が乗りやすいように体を捻る。 ジョルノは生み出したモグラがほんの少し前に掘った穴を足で埋めながらその背に飛び乗る。 ラルカスも同じく、治療しながら埋めたジョルノのモグラが開けた穴を足でいじり、完璧に隠滅してから背中に乗り、シルフィードは再び空へと舞い上がる。 亀と魔法が飛び交う方へと急速に向かうシルフィードの背中で、ジョルノは亀の中からマントを取り出した。 そして最後に取り出した細い杖を軽く手の中で回して、ジョルノはゲルマニア貴族ジョナサンになった。 「ジョナサン、アンタ相変わらずメイジっぽい格好をするのが得意だな」 これから向かうトリスティン魔法学院の生徒のように、マントと杖を携えたジョルノを見てラルカスがぼやく。 「そうですか? 何故かはわかりませんが…凄く馴染むんですよ」 「なんだそりゃ「きゅいきゅい――!」 その時、空中へと伸ばされた一際大きな腕が、タバサの物と思われる魔法に粉々に砕かれた。 砕かれたゴーレムの腕が大きな土くれとなって周囲へ散らばり、一部がジョルノシルフィードへと飛来する。 散弾のように降り注ぐ拳大から、牛男の銅より大きな塊へ、ジョルノはゆっくりと杖を向けた。 「エア・ハンマー」 無駄ァッ!! ジョルノが魔法を唱えた瞬間、その一瞬だけ二人には見えない古代ギリシアの彫刻の如く優美な像が一瞬だけ出現し、時計のような装飾が施された左腕が土の塊を全て砕いて消えた。 何か言いたげな視線が、二人からジョルノへと向けられる。 「何です?」 「助かったんだが、なんか…違わないか?」 「私も何か違うような気がするのね。きゅいきゅいっ!」 「いいえエア・ハンマーです」 ジョルノの爽やかな笑顔は、この時は凄く胡散臭かった。 それを感じたラルカスとシルフィードは同時に叫んでいた。 「嘘だっ!!」 二人の疑惑の声をジョルノは一笑に付して土煙が立ちあがる辺りへと杖を向けた。 「どうでもいいじゃないですか。さぁいきますよ…!」 爽やかだが、どこかイっちゃったような目をしたジョルノの呟きは風に紛れて消えていく。 今までに無く心地よく聞こえた声に、噴出す汗を抑えきれずラルカスはただ頷いた。 ジョルノが話しかけてくる言葉に危険な甘さがあった…だからこそ、ラルカスはその時恐怖を感じていた。 「ジョナサン…アンタ、どこかおかしい所は無いか?」 「…(奇妙なことなんですが)今の僕は最高にハイって感じなんですよ。薬を打った時なんでもできるような、良い気分になると言う人がいるそうですが…」 汗をかきながら尋ねたラルカスにジョルノは答えた。 その言葉には微かに戸惑いがあったが、ラルカス達は気付く余裕がなく…ディスクを差し込んだ辺りを触れるジョルノを、ただ見ていた。 「他人のスタンドをつけたせいで妙な影響を受けちまってるのか、僕は?」 シルフィードの背中で、とても小さな声でそう呟いていた時、フーケとポルナレフ達の戦闘は終了しようとしていた。 さほど距離が離れていない上、ポルナレフの移動速度はフーケを上回っている。 炎による生物探知機まで装備した亀を相手にするマチルダは、自分が追い詰められていくのを実感していた。 空を飛ぶ亀を相手にするには、詠唱をする時間が惜しかった。 加えてマチルダが身を隠す森が亀を相手にするには不向きだった。 マチルダが身を隠すように、亀が木々の間を抜けてマチルダを追いかける事を選んだ瞬間から…レーダーを持たないマチルダは適当に広範囲を巻き込むしかなかった。 だがその範囲に巻き込んだとしても…! 亀が操る炎。少し離れて行動する風のメイジが予想以上の腕を見せ、全て防ぎきる。 キュルケが炎を操るのは有名だったし、ルイズが魔法を使えないことはもっと有名だったからそれがタバサのせいだとはマチルダにもわかる。 だが、複数生み出した亀を貫く為の針をさえ、防ぐ程とは思っていないことだった。 焦り、唇を噛むマチルダが体を隠していた樹木が、一瞬で燃えあがった。 「チッ…」 舌打ち、慌ててその場から逃れようとするマチルダの体に、容赦ないエア・ハンマーの一撃が入る。 肺の中の空気が全て追い出され、意識を失いそうに鳴るのを辛うじてマチルダは防ぐ。 偶然切れた口内の痛みか、それとも吹き飛ばされて木に叩きつけられて生じた痛みかはともかく、マチルダは重たい体に鞭打って、自分に迫ってくる亀と、距離をとって杖を構えるタバサを見つめた。 「マ…いやいや『土くれのフーケ』。追い詰めたぜ!」 「カメナレフ…!」 マチルダはタバサに視線を向ける。 ここに来る途中、襲われた時のように切り抜けるか? そんな考えが一瞬浮かんだが、今食らった手加減されたエア・ハンマーとタバサの無感情な目が、別の手を選ばせた。 こうなっては、このドーピングされ普段より段違いに素早く作り出せるゴーレムに、マチルダは賭けることにした。 「カメナレフの生物探知機、フーケの攻撃も止んだ…フーケは貴方」 小さな体に不釣合いな杖を向けられたマチルダは、笑みを浮かべた。 「…あぁそうさ。私が『土くれのフーケ』だったのさ。アンタらが勘違いしてくれて助かったと思ったんだけどねぇ」 「ったくあの時私の話を信じてくれりゃあこんな手間がかからねぇで済んでたのによ」 「…あの時の話はセクハラだった」 沈黙が訪れようとする。 だがそれを、マチルダが杖を投げ捨てて未然に防いだ。 何故なら、こちらへと接近する者達がたてる騒音が、彼女の耳にはしっかりと届いていたのだ。 「降参だよ。おとなしく捕まるからここで丸焼きってのは勘弁して欲しいねぇ」「そうしてくれると助かるぜ。女を殴るのは気分が悪いからな」 ポルナレフは無造作に亀を持ってマチルダに近づいていく。 タバサは、まだ離れたままいつでもマチルダを攻撃できるように杖を向けていた。 その目はどんな些細な行動も見逃さぬと言わんばかりに、注意深くマチルダの動きを観察していた。 マチルダが少し肩を竦めたり、降参の証として、杖を彼女の方へと蹴っても、タバサは杖を向け続ける。 「そんなに怖がらなくったっていいじゃないか、ねぇ? カメナレフ」 少しだけ、媚を売るような仕草で言うマチルダに、ポルナレフは戦いに挑む緊張感を少しだけ解す。 同時に杖を持っていないメイジに何ができるわけでもねぇ、という考えが浮かんだポルナレフは、マチルダの手を縛る為の縄を探しながらタバサに声をかけた。 亀の中には、亀の中から出られないポルナレフの為にジョルノ達が結構なんでも揃えてくれているのだが、ロープの類があったかどうか、ポルナレフは覚えていなかった。 だって使わねーからなぁ、とポルナレフはぼやきながら棚をあさる。 「ん? そうだな…おい、タバサ。杖もお前が持ってるんだし、もういいじゃねーか」 亀の言葉に、タバサは杖を下ろさずに少しだけ亀へと視線を向ける。 ポルナレフは聊か軽薄な調子で、(マジシャンズレッドもそれに呼応して手を広げたりしたが、タバサには見えなかった)拝み倒す事にした。 「もう心配ねーって、後で手を縛ったりすりゃ何もできねーだろ」 「駄目。今しておく」 「いや、できればそうしたいんだが…ちょっと見当たらなくってよ」 ポルナレフの言葉をタバサとマチルダは不審に思った。 「? どこを探しているの?」 「あー…秘密だ。あえて言うなら、私の四次元ポケットだな」 余計に胡散臭くなったカメナレフに、タバサは先程は悪い事をしたので譲歩しようかという気持ちが砕ける音を聞いた気がした。 むしろやる気満々になって杖を向けるタバサに、ポルナレフはちょっぴり泣いた。 だがポルナレフがちょっぴり泣いた分だけ緊迫感が薄れたその時、タバサはシルフィードが接近する音に空を見上げた。 タバサが見上げると同時に、シルフィードが姿を現す。 翼を大きく広げ、降りてくる巨体が巻き起こした衝撃波が3人を襲う。 一番小さいポルナレフは、マジシャンズレッドに亀を抱え、タバサを風から守る為に動く。 それを尻目に、マチルダは襲い掛かる風から身を守る振りをして、小さな杖を取り出す。 広範囲を適当に潰すだけでは効果が無いなら、不意に訪れる一瞬にかけた。 既に詠唱は終えていたゴーレムの腕を瞬間的に複数生み出し、時間差で全てカメナレフへ向け襲い掛からせる。 「チィッ…『マジシャンズ・レッド!!』」 カメナレフが叫ぶと同時に、炎が出現し腕を溶かしていく。 だがマチルダが用意したカメナレフへ向かう幾多のゴーレムの方が、勝るとマチルダは直感した。 視界の端に見えたタバサが、今度は加減抜きのエア・ハンマーを唱え、マチルダを殺すかもしれないが…それよりもカメナレフをゴーレムの腕が握り潰す方が先だッ! だがそこで、突然マチルダは意識を失った。 マチルダがゆっくりと倒れ、ゴーレムが砕け散り、エア・ハンマーが消滅する。 唖然として声も出ない。タバサも、ポルナレフも。 だが、ポルナレフとタバサの間には大きな違いがあった。 ポルナレフにはこの現象が理解できていた。 全て。同時に、一秒の差もなく砕け散った。 「こ、これは…まさか!」 空を見上げたポルナレフの視界に、牛男と共に降りてくる黒髪の貴族の姿が見えた。 だが! マントと杖を見れば、自然と貴族を連想したが…その顔には見覚えがあった。そこへ植物を掻き分け、ルイズとキュルケが来る。 「タバサッ!「ミス・ロングビル…! カメナレフッ、フーケは!?」 草で切ったのか、手足から血を流しているルイズが気になったが、二人はラルカスとジョルノから目を離せなかった。 シルフィードの背中から降りてきた二人は優雅な仕草で礼をする。 「お久しぶりです。タバサ、それと初めまして。ミス・ヴァリエール、ミス・ツェルプストーとお見受けします、私はネアポリス伯爵です」 「…どうしてここにいるの?」 状況がわからないまま、挨拶を返すルイズ達にかわって、タバサが尋ねる。 ジョルノはマチルダを一瞥する振りをしながらルイズ達に言う。その目は、油断なく警戒するポルナレフを観察していた。 「魔法学院へ向かう途中、巨大なゴーレムを見かけましてね、ミス・ヴァリエールとここでお会いできたのは運がいい」 「アンタ、どうして私の事知ってんのよ…!?」 亀からルイズへと視線を移すジョルノに、ルイズは食って掛かる。 その声は常にも増して刺々しい。 円盤を落とし、フーケ退治にも貢献できていない…情けない自分を責める気持が、自分の中だけでは抑えられず、外へもあふれ出していた。 ネアポリス伯爵がどういう人か噂で聞いていたキュルケは、詰まらなさそうに髪を手櫛で梳く。 皆が大怪我もなく、円盤がなくともフーケも捕らえたので怒られるいわれは無い、そう考えるキュルケにはルイズの刺々しさは、うざったい。 そんなことより本当に当人か確かめたかった。 ポルナレフも、頭が違いすぎるがまさかジョルノ?という疑問を解決したかったが、グッと我慢していてルイズが自分を責めていることには気付かなかった。 「貴方のご家族からよく聞いていましたから」 「ごご、ご家族ですって?」 はい、と言って懐から取り出された手紙に、ルイズは緊張し体を硬直させる。 手紙は複数あり、その一通が母からの物だという事をその封筒から察したルイズは、恐怖で震え始めていた。 今回の自分の事を母が知ればどんな顔をするかなど、考えたくもない。 そんなルイズに、ジョルノは無造作に近づき、手紙を渡す。 「私との事はその手紙に書いてあると思います…貴方にジャン・ピエール・ポルナレフという人を探すのに協力していただきたかったのですが」 言って、ジョルノは亀を見る。それにつられ、皆がマチルダの周囲をうろちょろする亀に目を向ける。亀は動きを止め、ジョルノたちの顔を順に眺めた。案外知能が高いのかもしれない。 「手間が省けましたね」 そう言った自称伯爵の表情を見て、ポルナレフは確信した。 コイツ、ジョルノじゃねぇか、と。 ジョルノは無造作にポルナレフに近寄る振りをして、今度は先程気絶させた女性がマチルダかどうかを確かめる。 「ポルナレフさん、アンタ何やってんです?」 「やっぱりお前かよ…てめぇこそ何やってたんだ? 遅いじゃねぇか」 「そこは後で話すとして、私の馬車に行きませんか。学院に戻りながらでも会話はできますからね」 ジョルノはそう言ったが、ジョルノは予想していなかった。 ルイズとポルナレフが、(ルイズはスタンドが見えない為契約が完了したと勘違いしているが)使い魔の契約も誤魔化した、微妙な関係である事を。 馬車にいる客人、イザベラがガリアではタバサを虐めていて、ここでもその調子を引きずりタバサを『ガーゴイル』呼ばわりすること。 それにキュルケがキレてしまうこと…そして、連行される『土くれのフーケ』のローブで隠れた姿形を見ただけで、テファがマチルダだと気付く事を。 「そ、そうよ!! こうしちゃいられないわ! 円盤を探さないと…!」 ルイズが背を向けて、もと来た道を戻っていく。 『土くれのフーケ』は捕らえたが、肝心の円盤を落としてなくしたなどとは口が裂けても言えない…! 顔を青ざめさせたルイズの肩をキュルケが掴んだ。彼女がシルフィードで向かう事を提案する横で、異邦人二人はコソコソと相談する。 「お前、さっきのアレはどういうことだよ…!?」 「後で、といいましたよ。ポルナレフさん」 ゴールド・エクスペリエンスで二人の会話に聞き耳を立てているタバサを指差す。 『世界』を手に入れておきたいって気持があったポルナレフは、渋々唸って黙り込んだ。 「ムゥうッ!」 呻く亀を手に持って、ジョルノはルイズ達と共にテファが待つ馬車へと向かい歩き出した。 ポルナレフ…ジョルノとは再会できたが、じゃあルイズとはこれからどうしようかって悩みが浮上。 ルイズ…フーケは捕らえたものの、奪還予定だった『破壊の円盤』を無くしいいところもなく落ち込む。そこへ届けられた実家からの手紙にビクビクしている。 タバサ…ジョナサンが不治の病と診断されていたルイズの姉を治療したと聞いて希望がムンムン沸いてきた。イザベラの事はちょっぴり気になったが後回し。 キュルケ…親友を『ガーゴイル』呼ばわりするタバサの従姉妹にキレそう。 マチルダ…気絶したまま連行される。 ラルカス…運んでいく最中に偶然触った『土くれのフーケ』のお尻の感触が忘れられない。 イザベラ…ジョナサンが色々連れて戻ってきた事に驚き、今にもキュルケと喧嘩する羽目になりそう。 テファ…連行されるマチルダを見て青ざめている。 ジョルノ…妙な円盤の力に溺れているような気分で、とても気に入らない。 To Be Continued...
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【名前】ジャン・ピエール・ポルナレフ 【属性】スタンド使い 【大きさ】常人(身長193cm)。スタンド(人型)も本体と大体同じ大きさ。 【攻撃力】本体は鍛えた人程度。 スタンドは細身の剣を装備。突きや斬りで攻撃。 一呼吸の突きで長さ数mの車のバンパーを7片に切断した。 怒りによる精神の成長時(対ヴァニラ)、斬りや突きを連発してDIOの館の部屋の 周囲十数mの床や壁を斬って瓦礫状態をつくり、太さ数mの石柱や石像を真っ二つにした。 ただしスタンドの力は、せいぜいポルナレフの肉体を瞬時に持ち上げたりできるくらい。 【防御力】本体はDIOのパンチをくらって戦闘不能になる程度、常人よりはかなり強いか。 剣で空気の溝を作ることで『魔術師の赤』の炎を反射した。(空気を漂うものなら同様に反射できる?) ダメージは部位相応だが、剣のみ破壊されても本体のポルナレフに影響は無い。 スタンドの装甲を脱ぎ捨てることにより、C・F・Hによるダメージを軽症に押さえる。 (脱装甲後はスタンドの防御力が落ちる代わりに7体(の様に見える)スタンドで円陣を組み、 死角のない防御が可能になる) 【素早さ】スタンドは甲冑装備時は亜光速の剣速を誇る。 脱甲冑状態では更に素早さが上がり、初期のアヴドゥルや承太郎達が反応できない速度で行動、戦闘できる。 また、それより速いスピード(承太郎達の目にスタンドが7体に見える速さ)でも行動、戦闘可。 本体の走る速さは約4km離れた場所へ数秒で移動可能なスタンド(ゲブ神)よりほんの少し遅いくらい(花京院を担いで走ってゲブ神にギリギリ追いつかれる)。 【特殊能力】銀の戦車(シルバーチャリオッツ) 射程距離2m 右手に所持した細身の剣でのフェンシングがメインの戦い方だが、精密な動きで石を削って像を作ったり、 地面の砂を巻き上げて周囲に撒き散らしたりするなどの技巧的な使い方もある。 『チャリオッツの奥の手』:スタンドの剣針を飛ばして突き刺す飛び道具。跳弾を利用することにより死角から奇襲可能。 ただし刀身が無くなると暫くは斬りや突きの攻撃すら出来なくなる。 (アレッシー戦で一度飛ばした剣が時間をおくと復活していることから、時間が経つと剣針は生えてくると思われる) スタンドは幽霊を攻撃することが出来る。 物体をすり抜けて干渉可能(ただし、あまり厚い壁はすり抜けられない) 一般人には見えないし、触ることもできない。 【長所】肉弾戦のスピードとパワー。正面から戦えば強い。剣針で奇襲攻撃もできる。 【短所】スタンドと本体の視聴覚が連動していない。 【戦法】『銀の戦車』を飛ばし、突きや斬りのラッシュ。正面から戦って手ごわい相手には剣針で奇襲。 244 :格無しさん:2008/08/05(火) 22 58 22 ポルナレフ ○>東方仗助>セッコ>ブチャラティ:瞬殺 ×>ディアボロ:微妙だが時飛ばしは任意だけなのでギリ間に合うか。 ×>アヌビス神:自分のスタンドとの2刀流は無理だろ >ディアボロ>ポルナレフ>東方仗助>セッコ